気持ちを一言で伝える「小手紙」のススメ ~便箋の選び方から文面を彩るコツまで~

短い文で気持ちをつづる「小手紙」を始めませんか? 飾らない言葉で気軽に送ることができるのが魅力です。「手紙は相手とよりよい関係を築くためのツール。文章の長さや巧みさではなく、心を込めて、相手のことを思い浮かべながら書くことが大切です」と、『毎日が発見』の本誌でもおなじみのむらかみかずこさん。便箋の選び方や文面を彩るコツをつかめば、簡単に楽しみながら書けます。

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1.小手紙を書く「基本の3つ」

縦書きと横書きがあるので書きやすい方を「一筆箋」

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約18×8cmの短冊形の細長い便箋。草花や動物などさまざまな絵柄があり、3~6行ほどなので気軽に使えます。書き方にルールはないので、シンプルに気持ちを伝えましょう。

ストックしておけば気軽に送れる「はがき」

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裏面全体が写真のもの、部分的にイラストが入っているものなどを選べば、文章の短さは気になりません。旅先で出合ったものを購入しておいたり、夏季限定郵便・かもめ~るを使っても。

書きたいことが多いなら「便箋」

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伝えたいことがたくさんあるときは、便箋をチョイス。1行ずつ空けて書くなど、余白を生かして使っても様になります。小ぶりなB6サイズの便箋なら、一筆箋感覚で使えます。

送る相手や用途によってデザイン選びが楽しい

「手書きすること自体に価値があるので、文章の長さは気にすることはありません」とむらかみさん。

小手紙を始めるのにおすすめなのが、便箋に比べて書くスペースが少ない一筆箋やはがきです。絵柄も豊富なので、余白を上手にカバーしてくれます。

「定型文にこだわる必要はありません。大切なのは相手を思いやる心。その人宛てだからこそ伝えたい言葉や選びたい柄、思い出などを意識してみてください」 

手紙は相手との心の距離を近くしてくれるもの。

贈り物に一筆箋でお礼の言葉を添えたり、はがきで近況を伝えたり、思い立ったときに気軽に書いて送りましょう。

【国内の料金表】
はがき 63円

定形郵便物(長辺23.5×短辺12×厚さ1cm以内)
・25g以内...84円
・50g以内...94円

●定形外郵便物(長辺34×短辺25×厚さ3cm以内)
・50g以内...120円(※)

※50g以上は重量によって料金が異なります

2.小手紙をアレンジするものは...?

隙間を楽しくアレンジ

スタンプ

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余白は気にしなくてもOK。スタンプを押すと無地の便箋も華やかになります。相手や気分で絵柄や色を選ぶと楽しさもアップ。

シール

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スタンプ同様、遊び心を添えられます。和風、洋風などの絵柄はもちろん、立体的なもの、キラキラ光るものなど素材も豊富。

3.文字や文章に自信のない人は...?

バースデーカード

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写真は、開くとバースデーケーキの形になる飾れるカード。デザイン性が高いカードは、それ自体がプレゼントになります。

お見舞いカード

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シンパシーカード

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回復を願うお見舞いカードは、文字が苦手でも上品なデザインの力を借りられます。お悔やみを伝えるシンパシーカードもあります。

4.気の利いたアイテムは...?

相手が好きなものや縁起物の柄を選ぶ

柄入りメッセージカード

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ダルマや四つ葉のクローバーなど縁起物は季節を選ばないため、どんな用途にも使いやすいデザインです。常備しておくと便利。

贈り物に添えるためのミニカード

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「ありがとう」とお礼の品に添えるなど、ちょっとしたプレゼントと一緒に送りたいミニカード。気持ちを込めた一言をしたためて。

5.目的別「文面のコツ」

誕生日祝い

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①相手の名前やエピソードを添えることで相手との心の距離が近くなる。お祝いだからこそもらってうれしい褒め言葉をプラスしても

ほかに「出会った頃のことをつい昨日のように思い出します」「いつまでも笑顔がステキな和子さんでいてください」など

②ほかに「素晴らしい一年を願って」「ご多幸をお祈りしています」など

★傘寿、米寿など長寿のお祝いには高級感のあるカードを選ぶのもいい
スタンプやシールを使って空白を華やかに

お礼状

気持ちを一言で伝える「小手紙」のススメ ~便箋の選び方から文面を彩るコツまで~ 2007_P075_01.jpg①お礼の内容や頂き物の感想を具体的に伝え、感謝の気持ちを素直に表す

②選んだ理由を具体的に伝えると、より喜ばれる

③ほかに「召し上がってください」「お口に合いましたら、うれしいです」など

暑中見舞い

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①季節を感じる文章を添えると品が出る

②健康を気遣う文章は優しさが伝わる

ブルーやエメラルドグリーンなどインクの色で涼しげな印象に

お見舞い

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①「元気を出して」など回復を祈る言葉、明るく前向きな言葉を添える

②健康法などのむやみなアドバイスは控える

★文字を大きめに元気よくつづり、内容が重くならないよう注意

《文字は青字&太字で明るい印象に》

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手書き文字は、きれいさよりも読みやすさが大切。鮮やかな青のインクで大きくつづると明るい印象になります。ペン先が太めのものを使うと、自然に文字を大きく書けます。

6.季節のあいさつ文のヒント

1.日常で気付いたことを書く

窓の外を眺めてみてください。何に気付きましたか? 庭に咲く草花、太陽の光...その時感じたことを素直にしたためてみましょう。

2.インターネットや新聞から探す

ネットの記事や新聞のニュースなどから感じたことを伝えても。書いた時と相手に届いた時のタイムラグも手紙の持ち味です。

3.本から探す

むらかみさんの著書など、上手に手紙を書くコツを紹介した本は多数あります。迷ったら、プロの言葉からヒントを得ても。

取材・文/岸上佳緒里 撮影/園田昭彦

 

<教えてくれた人>

むらかみかずこさん
手紙文化振興協会代表理事。手紙の書き方講師を全国各地に育成。『できる大人の“一筆添える”技術』(KADOKAWA)など気持ちが伝わる言葉や書き方にまつわる著述、講演多数。

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『できる大人の"一筆添える"技術』

(むらかみかずこ/KADOKAWA)

一筆箋・カード・筆記具などのアイテムの上手な選び方から、やわらかい印象を与えるための文例集まで、「書くコミュニケーション」を楽しみながら実践するためのヒントがぎっしり詰まった一冊。お仕事やプライベートで、思わず使いたくなるアイディアが満載です。

この記事は『毎日が発見』2020年7月号に掲載の情報です。

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