小さな正方形の絹地をつまんで折り畳み、花や動物を形作るつまみ細工。江戸時代から伝わる、日本の伝統工芸の一つです。かつては櫛やかんざしなどの髪飾りとして親しまれていましたが、ここ数年、愛らしさが見直され、再び人気を集めています。
マミ山本さんが教えてくれたのはそんなつまみ細工で作った７枚花弁の花アクセサリー。「母や祖母から譲り受けたきものの端切れを使いました。薄手の生地を使うことと、生地を貼り合わせるとき、あせらず接着剤が乾くまで待つのがコツです」あなたも作ってみませんか？
作ってみましょう
材料と道具
径約4cmの花（１個分）：薄手のきもの地、厚紙（土台用）、木工用接着剤、ピンセット、つまようじ
きもの地を裁つ
① 4 × 4cmのきもの地を８枚裁つ（花びら７枚分と土台用の１枚）。土台の厚紙は径3cmの円形に裁つ。
花びらを作る
② 正方形の布を角を合わせて三角に折り、さらにその半分に折る。ピンセットで布の中央を押さえながら折るとやりやすい。
③ つまようじに木工用接着剤を取り、三角を外側に折って（右）布端を貼る（左）。
④ 花びらのできあがり。木工用接着剤を付けた布端を押さえてしっかり固定する。
⑤ ②～④を繰り返して花びらを７枚作る。厚紙に、残った布を包むように貼り、土台を作る。
花の形を作る
⑥ 花びらの裁ち端に木工用接着剤を付ける。
⑦ ⑥を土台の裏側に１枚ずつ貼っていく。円形の土台に７枚の花びらを均等の幅に並べるときれいに仕上がる。
⑧ ⑦の木工用接着剤が乾いたら、ピンセットで布を膨らませるようにして形を整える。
⑨ 土台と花びらの間に、外側からもう一度木工用接着剤を垂らし、布端をピンセットで押さえてしっかり固定する。
手順を説明しているのは、花ブローチのベースになっている大きい花。花のサイズが変わっても作り方は同じです。径２cmの花は２cm角、径2.5cmの花は2.5cm角、径３cmの花は３cm角の端切れをそれぞれ８枚ずつ用意します。
ラベンダー色のイヤリング
素材は紫色の（縮緬ちりめん）地。上の手順で花を作り、裏にイヤリング金具を付けて仕上げます（写真下）。花は径約2.5cm。金具は手持ちのものを再利用しても。
白花ネックレス
パールも縮緬地の花も白。シンプルで上品なネックレスです。花裏の土台とネックレスをぬい留めるだけ（写真下）。糸を外せば元に戻すこともできます。花は径約３cm。
房咲きの花ブローチ
径４㎝の大きな花に、径２㎝の小さい花を重ねた立体的なブローチ。花色を変えるとカラフルになります。胸元やストールの結び目に留めてもすてき。
上：土台金具付きのブローチピンを端切れで包み、土台に貼る。
下：小さい花には土台を付けず、そのまま大きい花にぬい留める。
スマートフォンの飾り
100円ショップで購入したスマートフォンのカバーにきもの地を貼り、その上につまみ細工の花を１輪ぬい留めました。花は径約３cm。
文／飯田充代 撮影／奥谷 仁
