小紋地を使い、しなやかなシルエットがステキな春コートに仕立ててみませんか? やさしい手ぬいを提案する高橋恵美子さんのきものリフォームをご紹介します。
さらりと羽織れば風になびく春コートに
共布のベルトを首に掛け、細いタイのように結んでアクセントにしています。こんなおしゃれも楽しいですね。
ご紹介するのは、もうすぐやってくる春を感じさせる、季節先取りの軽やかなワンピース。
きもの地の中でも〝柔らかもの〟と呼ばれる小紋地を使った、しなやかなシルエットの一枚です。
ワンピースのほかに、着方はもう一通り。
ベルトを外すと、春コートやロングカーディガン風になります。
きものの色柄に合うインナーに重ねて楽しんでください。
きもの地の四角い形と幅を生かして〝まっすぐぬう〟だけ。
作り方はとても簡単です。
左右の身頃の合わせ方でゆったり着ることもできます
ワンピースとして着るときは、ウエストでベルトを締めます。胸元の女性らしいVラインもすてきです。
きもの地の質感を生かしてリフォームを
小紋、紬、紗や絽...。
きもの地は種類によって厚みや手触りなどの質感が異なります。
今回ワンピースに小紋地を選んだのは、柔らかいラインを出すため。
リフォームをするとき、色柄だけでなく、こんなふうに質感に気を配ると楽しいものです。
ぱりっとした雰囲気にしたい場合は紬で作るのもいいですね。
ベルトをゆったり結びます
左右の身頃を重ねてからベルトを結ぶので、ウエストサイズを問いません。
身頃の幅もたっぷり取ってありますから安心して着られます。
裾の揺れ感を楽しんで
コート風に着たときの魅力は、裾の動き。
風をはらんでふわりと揺れるのは、軽い絹素材だからこそ。
楽しく歩けそうです。
作ってみましょう
きものをほどいてから作り始めます。
ほどくとすべて四角い布に戻りますから、その形を生かして必要なパーツを裁ちましょう。
あとは布同士を、手ぬいで〝まっすぐ〟ぬい合わせていくだけです。
【Before】
たんすに眠っているきものの中から1枚を選びます。
【After】
1枚のきものから、ワンピースとベルトが作れます。
詳しいコートの作り方は、『毎日が発見』2020年2月号P114~117で紹介しています。
取材・文/飯田充代 撮影/中島繁樹