片岡鶴太郎さんが小林照子さんと出会ってから1年半。鶴太郎さんは、美容家として新たな道を進もうとしています。心と体で感じながら見いだした、美への想いをお伺いしました。
蒸しタオル美容法で美容への概念が激変!
小林 鶴太郎さんとの出会いは、私の著書『これはしない、あれはする』を読んでいただいたことがきっかけでしたね。
鶴太郎 はい。知人からいただいた照子先生の著書を拝読して、生き方といい考え方といい、とにかく素晴らしい方だなと。念願叶ってお会いしたときには聞きたいことがいっぱいあったので、お茶を飲みながら何時間もお話しさせていただきましたね。
小林 アトリエにお招きいただいたのですが、とにかく鶴太郎さんの美意識の高さに感心しました。飾られた絵や調度品、立ち居振る舞いもすてきで。そのときに、蒸しタオルでの美容法(※)を紹介したんですよね。
※【蒸しタオル美容法のやり方】クレンジングクリームでメイクや汚れを落とし、ティッシュで軽く拭き取った後、蒸しタオルを30秒~ 1分ほど顔に当て、肌を柔らかくほぐしてから、タオルで拭き取ります。蒸しタオルは、41 ~ 42℃のお湯を張った洗面器にフェイスタオルを入れて、絞ればOK。
鶴太郎 照子先生の肌があんまりきれいなので美肌の理由を聞いたところ、「マッサージクリームをなじませてティッシュで汚れを拭き取ったら、あとは蒸しタオルをするんです」と。マッサージクリームはべとべとするから洗顔が必須だと思っていたのに、蒸しタオルだけで十分だと。僕が驚いていると、「肌は、温めると毛穴が開いて汚れが取れやすくなります。それ以上のことをすると、本来必要な油分まで取りすぎてしまって肌が乾燥してトラブルの元になるんですよ」と教えていただきました。その説明に「なるほど!」と思い、それ以来毎日、(蒸しタオルでの手入れを)続けています。1年半ぐらいになりますね。
小林 それまではご自身で何かお手入れをされていましたか?
鶴太郎 自己流ですが、顔や頭皮のマッサージをしていました。実は、自分は禿げると思っていたので、きれいに禿げるためにと、マッサージしながら髪の毛をむしっていたんです。マッサージを始めた最初の頃は、ぼろぼろ(髪が)抜けるんですよ。ですがあるとき、抜けるのがぱたっと止まったんですよね。そうしたら、毛穴から新しい毛が出てきていることに気が付いて。禿げたいのに、ちょっとこれはまずいぞってね(笑)。いまはそれに蒸しタオルをすることが加わりました。顔はもちろん、頭から肩ぐらいまで、全部蒸しタオルを当てて手入れしています。一日やるだけでも全く肌が変わるから、みなさんにもぜひやってほしいですね。
頭皮を揉んで頭を柔らかく自然と薄毛も解消
小林 鶴太郎さんがやっているのは、骨格を整えながら、表情筋も整えるマッサージです。だから普通なら、年齢的にたるみなどの無駄が出てきますが、そういったものが全くありません。肌に弾力が出て、顔立ちがどんどん良くなっていくのです。また、頭皮のことは私もすごく勉強になりました。弱々しくなった毛は抜いてやった方が良いのです。すると、次に生えようと準備していた健康な毛がぐーんと勢いよく出てきます。 ところで頭のマッサージには、何かコツはありますか?
鶴太郎 頭皮マッサージは、頭の前側からしっかり力を入れて行うようにしています。以前は、常にパツパツに頭が張っていたんです。まるで肩がこっているみたいな感覚が日常でした。それが、頭を揉みほぐすようになって、気付いたらなんとなく柔らかくなってきて。でも、まだ揉み足りないみたいな、痛みじゃないんですけど、そういう違和感のある部分があって、鏡で確認したら、その辺りだけ毛が薄いんですよ。それを見て、おそらくこの部分は血液の循環が良くないのだろうと思って揉んでいたら、だんだん毛が埋まってきたのです。
小林 それはすごい! 頭皮の下には血管が集中しているので、マッサージすることで血液の巡りが良くなって、元気な毛が出てきたのですね。美容的に見ても、全部理にかなっています。
小林さんが鶴太郎さんをメイク。ケアやメイクポイントについて小林さんのアドバイスに、鶴太郎さんも真剣に耳を傾けていました。
【メイクのポイント】
目の下はクマが目立つので、ツヤ出しと明るい色を足すことで明るい印象に。眉は描くのではなく、置くようなタッチで。
取材/栗山春香 文/笑(寳田真由美) 撮影/斎藤 亢 ヘアメイク/藤枝暁子(美・ファイン研究所)