何歳になっても持ち続けたい「生きがい」はありますか? 年金3万円、数々の病に見舞われて、一日のほとんどをベッドで過ごしていた84歳のG3(じーさん)は、ミシンと出会って生活が激変! SNSで手作りのがま口バッグが話題になり注文が殺到するまでになりました。妻のB3(ばーさん)や、娘、孫たちと明るく前向きに生きるG3の日々を綴ったエッセイ『あちこちガタが来てるけど 心は元気! 80代で見つけた 生きる幸せ』(KADOKAWA)より、人生後半の生き方のヒントをお届けします。
※本記事はG3sewing著の書籍『あちこちガタが来てるけど 心は元気! 80代で見つけた 生きる幸せ』から一部抜粋・編集しました。
ツイッターのフォロワーさんに描いてもらったアイコン用のイラストで、私が看板を作りました。
看板をかけたら、G3sewingの工房っぽくなりました(笑)。
はじめに
初めまして。
G3sewing(じーさんソーイング)です。
私たちは、84歳の父、80歳の母、50歳の三女の私でやっている小さなソーイングチームです。
主に84歳のじーさんが作っているので、G3(=じーさん)sewing(=裁縫)と名づけました。
三重県四日市市にある平屋の一軒家で、がま口バッグ、トートバッグ、お茶碗型ポーチ、お薬手帳がま口、印鑑ケースなどを作って、ネットで販売しています。
「親子で仲が良くてうらやましい」と、思われる方がいるかもしれませんが、それはここ2〜3年のこと。
以前は、今とは真逆のような生活でした。
父(じーさん=G3)は現役の頃は職人。
短気で人づき合いが苦手なので、仕事で失敗してばかり。
だから、家族はずっと貧乏生活でした。
G3の年金は月3万円ほどで、貯金もありません。
68歳からは、次々と病気を患い、家ではほとんど寝たきり状態。
そんな状態を憂えて、G3は家出や自殺未遂をしたこともありました。
G3が82歳のとき、私がお願いしたミシンの修理をきっかけに、ミシンでの物作りを始めました。
それまでミシンは触ったこともなかったのですが、どんどん熱中していきました。
その後、材料費を捻出するために、作ったものを販売していましたが、全く売れずに、物作りが続けられないピンチに......。
そんなとき、孫のアイデアで始めたツイッターで、思いがけずにバズってしまいました!
この本では、G3sewingが試行錯誤しながら進んできた日々をお伝えします。
「老後に2000万円の貯蓄はない」「年をとって楽しいことがない」と暗い気持ちになっている、かつてのG3や私たち家族のような方々に、生きる希望を感じてもらえたらと思います。
そして、「何歳からでも、新しいことを始められる」という勇気を持ってもらえたら、これほどうれしいことはありません。
会社ではありませんが、役割分担を。
父(G3・じーさん)は製作担当の工場長、母(B3・ばーさん)は検品・包装担当の専務、そして、娘(kiki)はなんでも屋の社長です。