昭和50年代を舞台に、祖母と孫の日常を描いたまんが『梅さんと小梅さん』。毎日が発見ネットでも全16回の連載を実施し、丁寧に描かれた「懐かしい暮らし」の様子が、反響を呼んでいます。今回は、このほっこりとしたマンガに込められた、作者・ホンマジュンコさんの想いをお聞きしました。
【登場人物紹介】
梅さん:秋田県生まれ、秋田県育ち。お花の名前、手袋の編み方、ほおずきの鳴らし方...。なんでも知ってるおばあちゃん。
小梅さん:クリームソーダとカレーライスと梅さんのことが大好きな女の子。頭の小さなお団子がめじるし。
一家は小梅さんの両親も同居する4人家族。その中で二人は、寝るのもお風呂も遊ぶのもいつも一緒。お互いを掛け替えのない存在だと思っています。
秋田で仲良く一緒に暮らす、孫とおばあちゃんの物語です。
「実際の私は祖母と離れて暮らしていましたので、秋田の祖母の家に行けるのは夏休みと冬休みでした。遊びに来た私たちのために夏、汗だくになってとうもろこしをゆでてくれたり、畑で泥遊びをさせてくれたりしました。ですが、従兄弟たち(内孫)も一緒に過ごしたので、『自分と祖母だけの思い出』もあまりなく...。その反動で作品のなかでは小梅さんが梅さんを独占しています(笑)」
参考記事:夕暮れの散歩道、小さな孫が「恐怖で真っ青」になったのは...⁉/梅さんと小梅さん(14)
前作も今作も作品のテーマは「今を大切に」ということ。
「執筆中はまさかこんな世の中になるとは思っていませんでした。ただ、会いたくても会えない時間をそれぞれが過ごしたことで、その存在の大切さにあらためて気づけた方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。また元のように、自由な世の中に戻ったとき、今まで以上にお互いを大切に思いやることができれば、この切ない時間も決して無駄ではなかったと思える気がしています」。
参考記事:「生きられるどごまで、生きてみるがらね」親友の死と、孫の成長に伝った涙.../梅さんと小梅さん(16)
そのホンマさんの言葉通り、相手を思いやる心が伝わる作品です。
【梅さんの秋田弁講座】