抜け毛は自分とは関係ないと思い、特に気にせず生活していませんか? そんな方は要注意! 髪は抜け始める前からケアすることが重要なのです。特別なことは必要ありません。衣食住を中心とした生活習慣を根本から見直すだけで、数年後の未来の自分の髪に先行投資することができます。最新の科学的根拠をもとに知識を深め、薄毛にならないための生活を今から始めてみませんか。
抜け毛にまつわるさまざまな原因や治療法、ケアなどを薄毛治療の第一人者である岡嶋研二先生に伺います。
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治療薬を服用する前に、副作用を理解しましょう
これは西洋薬全般にいえることですが、治療をするということは体に劇的な変化をもたらすということ。どこかに副作用が出ることは当たり前ともいえる現象なのです。
「たとえば、アレルギーや酔い止めの薬などに入っている抗ヒスタミン剤は、薄毛を進行させることが分かっています。患者さんの中でも、順調に髪の毛が生えてきたにもかかわらず、これらの薬を2~3日飲んだだけで髪の毛が瞬く間に抜け落ちてしまったという症例がありました」(岡嶋先生)
では薄毛の治療薬の場合は、どんな副作用があるのでしょうか。
「経口タイプのミノキシジルの場合は、むくみなどの副作用が、そして、プロペシアの場合は、精子数の減少や勃起不全になったという症例も報告されています」(岡嶋先生)
外用育毛剤なら安心、というのも間違いなのです
塗るタイプの育毛剤は経口治療薬に比べて、直接体の中に入れるものではないから、副作用がないと思っている方もいるかもしれませんが、大きな間違いです。
有効成分にミノキシジルを用いた育毛剤は、頭痛、めまい、吐き気などの体調不良が起こることがあります。ちなみに副作用が起こるのは、男性用育毛剤の場合がほとんどです。なぜなら、女性用育毛剤は、男性用に比べてマイルドで低刺激なものが多いためです。「私のクリニックでは、安心して使用していただくために、へちま水のような天然成分を使った育毛剤で、女性型脱毛症を治療しています。育毛剤を選ぶ際は、脱毛を引き起こすかゆみ止めなどが入っていないかなど、必ず成分表示を確認し、注意して選ぶようにしてくださいね」(岡嶋先生)
医薬品の育毛剤は効果が高い分、副作用も強い!?
西洋医学の医薬品は効果が高いぶん、副作用も強く出る場合があります。そもそも医薬品とは、有効成分の効果が認められていて、治療や予防に有効であると厚生労働省から認定された薬のこと。それだけ、強い成分を配合していることは明らかなのです。
ちなみに、育毛剤は医薬部外品と銘打っているものが多いのですが、医薬部外品とは、有効成分が一定の濃度配合されていて、防止や衛生に役立つとして厚生労働省から認定をされた薬です。しかし、これは効果を保証するものではないことに注意しましょう。
その差は歴然ですよね。薬を選ぶ際は、こういった表示にも注目してみるといいでしょう。
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取材・文/荒井さやか