「若い頃から髪を染めると薄毛になりやすい」の真実は?/抜け毛予防

「若い頃から髪を染めると薄毛になりやすい」の真実は?/抜け毛予防 pixta_33640959_S.jpg抜け毛は自分とは関係ないと思い、特に気にせず生活していませんか? そんな方は要注意! 髪は抜け始める前からケアすることが重要なのです。特別なことは必要ありません。衣食住を中心とした生活習慣を根本から見直すだけで、数年後の未来の自分の髪に先行投資することができます。最新の科学的根拠をもとに知識を深め、薄毛にならないための生活を今から始めてみませんか。

抜け毛にまつわるさまざまな原因や治療法、ケアなどを薄毛治療の第一人者である岡嶋研二先生に伺います。

前の記事「髪は抜けるのに、ヒゲは年とともに濃くなるのはどうして?/抜け毛予防(16)」はこちら。

 

確かにヘアカラーやブリーチは頭皮にダメージを与えます

カラー剤にはアルカリ剤が含まれていて、頭皮や毛髪の脂質成分を取り去ってしまいます。その影響で、頭皮が乾燥し、IGF-1が増えにくくなるとともに、毛のキューティクルも傷んでしまいます。

そして、一度ヘアカラーをすると、何度も繰り返すことが多いですね。長期的に頭皮や毛髪にダメージを与えることで、頭皮環境はますます悪化していき、髪の毛は痩せ細り、パサついていきます。

 
頭皮にはダメージを与えるものの、薄毛には影響ありません

髪の毛が傷んでくると、今度は毛先が枝分かれしてしまう「枝毛」や、傷みからくる「切れ毛」が増えていきます。風呂場の排水溝に、以前より多く髪が抜け落ちている場合「薄毛になるかも」と、不安を感じるかもしれませんね。

しかし、枝毛や切れ毛は髪の毛が傷んでいるだけともいえます。男性ホルモンのように毛根に直接作用して、髪の本数を減らしているわけではありません。
ですから、比較的、頭皮や髪の毛を傷つけないヘアカラーを使っていれば、成長サイクルによって健康な髪の毛がまた生えてくるので安心してください。

 
髪の毛のダメージを最小限にとどめるためにできることは?

もちろん、ヘアカラーをしないことが得策ですが、他に枝毛や切れ毛を減らし、丈夫な髪の毛を保つ方法はないでしょうか。

「個人的には前にもお話ししたように、シャンプーを使わずお湯だけで洗い流す湯シャンがおすすめです。どうしても、お湯だけではすっきりしないと感じられる人は、石けんシャンプーを使ってください。石けんシャンプーは、一般的な液体シャンプーより皮脂を取りすぎないため、頭皮を荒らしません。さらに、洗髪後はしっかり乾かすようにしましょう!」(岡嶋先生)

頭皮を、適度に清潔に保つことが、毛根と髪のダメージ軽減に繋がるのです。

 

次の記事「白髪と薄毛の原因としくみ、どう違うの? 薄毛と白髪の関係/抜け毛予防(18)」はこちら。

取材・文/荒井さやか

「若い頃から髪を染めると薄毛になりやすい」の真実は?/抜け毛予防
<教えてくれた人>
岡嶋研二(おかじま・けんじ)先生

1978年、熊本大学医学部卒業。1982年、熊本大学大学院医学研究科修了(医学博士取得)。日本学術振興会特定国派遣研究員としてウィーン大学医学部への留学、熊本大学医学部助教授、そして名古屋市立大学大学院医学研究科教授を経て、2012年4月、名古屋Kクリニックを開院。血液学を中心に研究を進め、育毛作用を有するインスリン様成長因子-1(IGF-1)を増やす新たな方法を見いだし、育毛効果を発揮する治療法の開発へと応用している。

 

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