女性のがん死亡数1位の「大腸がん」。専門医の斎藤豊先生が早期発見・早期治療が重要な理由を解説

主な発生部位と症状

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※浸潤(しんじゅん) がんが周囲に染み出るように広がっていくこと。

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検診で「陽性」と出たら内視鏡検査を必ず受ける

現在、国が推奨している大腸がん検診は、40歳以上が対象で1年に1回。

検査項目は、問診と、便の中に血液が混じっているかどうかを調べる便潜血検査です。

便潜血検査で「陽性」の結果が出たときには、大腸内視鏡検査などの精密検査を受けることが重要。

大腸内視鏡検査は、肛門から挿入した内視鏡で大腸がんの有無を詳しく調べる検査です。

「便潜血検査で『陽性』と結果が出た後、大腸内視鏡検査を受けている人は約6割しかいません」と、斎藤先生。

「約4割の人は陽性の結果を放置し、精密検査を受けていないのです。その結果、進行がんへ移行したケースは珍しくありません」

便潜血検査の「陽性」は、大腸で出血している可能性があることを示します。

がんか、もしくは他の理由か、大腸内視鏡検査で調べなければ分かりません。

仮に大腸がんであっても、早期段階で発見できれば、手術をすることなく内視鏡的治療で完治が期待できます。

内視鏡による治療は、がんが粘膜の表面に留まるステージ0や、がんが粘膜下層表層に留まるステージ1といった早期がんが対象です。

「日本は、大腸内視鏡検査も、内視鏡的治療も、世界に誇る技術力があります。安心して大腸内視鏡の検査や治療を受けていただきたいです」と、話す斎藤先生の元には、その技術や治療方法を学ぼうと、海外から年間100人近い医師が見学に来るほど。

それだけ日本のレベルは高いのです。

構成/岡田知子(BLOOM) 取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

国立がん研究センター 中央病院  内視鏡センター長・ 内視鏡科長
斎藤 豊(さいとう・ゆたか)先生

1992年、群馬大学医学部卒。三井記念病院消化器内科医員/医長、国立がんセンター中央病院内視鏡部医長などを経て、2012年より現職。大腸がん内視鏡手術の名医として、日本消化器内視鏡学会などの指導医も務める。

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