ぎっくり腰として発症する可能性もある「椎間板ヘルニア」/やさしい家庭の医学

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椎間板に異常をきたし、神経を圧迫
「椎間板ヘルニア」

●ぎっくり腰として発症の可能性も
私たちの背骨[=脊椎(せきつい)]は、「椎骨(ついこつ)」という輪型の骨が30個ほど重なり合って形成されています。椎骨だけではなめらかに動くことができないため、椎骨と椎骨の間には「椎間板(ついかんばん)」というクッションの役目を果たす部位が挟まっています。

椎間板は、周囲を構成する線維輪(せんりん)という軟骨と、内部の髄核という組織からできていますが、組織の老化や急激な圧迫などによって椎間板が異常をきたし、線維輪に亀裂が入って中の髄核(ずいかく)が外に飛び出すことで神経が圧迫されることがあります。この状態を「椎間板ヘルニア」と呼んでいます。

椎間板ヘルニアは、発症する背骨の部位によって、腰椎(ようつい)椎間板ヘルニアと頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアに分かれています。椎間板ヘルニアという場合、そのほとんどは前者の症状といえます。

重い荷物を急に持ち上げたり、体を不用意にひねったりなどすると、激しい腰の痛みに襲われることがあります。これは俗に「ぎっくり腰」と呼ばれる症状ですが、椎間板ヘルニアはぎっくり腰の症状と同様なものとして現れることが少なくありません。

このとき、体の内部では、髄核が腰髄の神経根を押している状態となっており、このことによって腰痛や坐骨(ざこつ)神経痛が起こることになります。

 

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坐骨神経は腰椎から伸びている神経で、お尻からももの後ろを通り、足先まで伝わっています。坐骨神経痛になると、腰だけではなく、足のほとんどの部位が痛みを伴うことがありますが、これはそのような坐骨神経の仕組みによるものです。

椎間板ヘルニアを発症してしまった場合、まずやらなければならないのは体を安静に保つことでしょう。消炎鎮痛(ちんつう)剤や筋弛緩(きんしかん)剤など、対症療法をまずは施して、痛みが治まるのを待ちます。激しい痛みは1週間ほどで引いていきますが、痛みがずっと治まらなかったり、再発を繰り返すような場合は手術による治療も行なわれます。

背骨を曲げるときの体の動きは、腹筋や背筋によって支えられていますので、腰への負担を軽減するためにも、それらの筋肉をつけることによって改善傾向に進むこともあります。

また、牽引(けんいん)療法といって、体を縦方向へ強制的に引っ張ることによって背骨を伸ばし、椎間板にかかる負担を軽減する方法もあります。

 

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中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です

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