60代以上の世代が抱えている「持病」について、最前線の対策法を専門家に聞く連載「持病対策最前線」。今回は「歯周病」の1回目です。
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歯周病は日本人の「歯を失う理由」第1位
朝起きたとき口の中がネバネバする、歯みがきのとき歯ぐきから血が出るなど、不快な症状の多い「歯周病」。60代以上の有病率は9割と言われていますが、重症化すると歯肉や歯槽骨(歯を支える骨)などの歯周組織が破壊されていき、最終的に歯が抜け落ちてしまうおそろしい病気です。
おもな原因は、歯の表面に付着したプラーク(歯垢)に潜む歯周病菌です。歯みがきなどのケアを怠ると、歯周病菌が口内で増殖し、歯周組織に炎症を引き起こして「歯周病」になってしまいます。
プラークの他にも、噛み合わせや歯並びなどさまざまな原因によって炎症は引き起こされます。プラークや歯石を除去し、日頃のセルフケアによって炎症を改善していくとともに、炎症を引き起こした原因について診断を受け、それらを根本的に治療していくことも、歯周病治療の重要なポイントです。
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取材・文/高橋星羽(デコ) イラスト/矢島慶子
<教えてくれた人>
宮崎真至(みやざき・まさし)先生
宮崎真至(みやざき・まさし)先生
日本大学歯学部付属歯科病院病院長。日本大学歯学部卒業、日本大学大学院修了。歯学博士。インディアナ州立大学歯学部留学後、日本大学歯学部教授などを務める。保存修復学の第一人者として、テレビ出演や講演会など幅広い活動を行っている。