足の血管が浮き出る、ボコボコしている、むくみがひどい...。それらの症状は「下肢静脈瘤」が原因かもしれません。放置しておくと重症化する場合もある「下肢静脈瘤」ですが、軽症のうちはセルフケアで何とかなります! そこで今回は"血管の名医"である広川雅之先生の著書『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』をご紹介。自分の症状はセルフケアで治るの? 放っておくとどうなるの? 別の病気の可能性は? 「下肢静脈瘤」に関する疑問を名医が徹底解説します。
※本記事は広川雅之著の書籍『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』から一部抜粋・編集しました。
足の静脈には、中心部を通る深部静脈と、表面を通る表在静脈がある
静脈のしくみについて説明しておきましょう。
静脈は全身をめぐった血液を心臓に戻す血管で、多くは体の表面近くを通ります。
老廃物や二酸化炭素を含んでいるため、静脈を通る血液は、赤黒い色。
採血の際に、自分の血液が黒っぽいなと思った方もいるでしょう。
あれは、静脈の血液だからです。
足の静脈は、足の中心部を通る「深部静脈」と、表面を通る「表在静脈」があります。
深部静脈は太い血管で、足の血液の80~90%がここを流れています。
表在静脈には、大伏在静脈と小伏在静脈があります。
【足の主な静脈】
大伏在静脈は、足首からふくらはぎ、太ももの内側を通って足の付け根で足の中心部にある深部静脈とつながっています。
小伏在静脈は、足首からふくらはぎを通って、ひざの裏側で深部静脈とつながっています。
深部静脈と表在静脈は、「穿通枝」という小さな血管でつながっています。
足の血液は、大伏在静脈と小伏在静脈、穿通枝から、深部静脈に流れ込んで心臓に戻るという流れになっています。
深部静脈は高速道路、表在静脈は一般道、穿通枝は脇道といったところでしょうか。
下肢静脈瘤は、表在静脈の病気です。
代表的なのが、大伏在静脈や小伏在静脈の逆流防止弁が壊れた「伏在型静脈瘤」で、足の血管が浮き出てボコボコふくらんだり、足のだるさやむくみなどが起きたりするのは、ほとんどが伏在型静脈瘤です。
それ以外にもいくつかタイプがあります。