BMI30以上の人は要注意! 肥満・便秘は脳梗塞や心筋梗塞の原因にも...

足の血管が浮き出る、ボコボコしている、むくみがひどい...。それらの症状は「下肢静脈瘤」が原因かもしれません。放置しておくと重症化する場合もある「下肢静脈瘤」ですが、軽症のうちはセルフケアで何とかなります! そこで今回は"血管の名医"である広川雅之先生の著書『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』をご紹介。自分の症状はセルフケアで治るの? 放っておくとどうなるの? 別の病気の可能性は? 「下肢静脈瘤」に関する疑問を名医が徹底解説します。

※本記事は広川雅之著の書籍『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』から一部抜粋・編集しました。

【前回】「下肢静脈瘤」に効く食べ物はある? 水分は控えるべき? 足の「ボコボコ」「むくみ」に良い食事法

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血管強化が期待できるポリフェノールを日々の食事に取り入れるのも〇

下肢静脈瘤を改善する食品はない、といいましたが、血管を強くすれば血流が改善することがあります。

その効果を期待できる栄養素が、ポリフェノールです。

ポリフェノールは、多くの植物に存在する、色素や苦み、渋みなどの成分である化合物の総称で、その種類は5000以上あるといわれています。

なかでも血行の改善に効果があるといわれているのが、アントシアニンやルチン。

アントシアニンはブルーベリーなどのベリー類、プルーン、柿、赤ワインなどに、ルチンは柑橘類やそばに多く含まれる成分です。

たくさん摂取しても、ほとんど貯蔵されずに排出されてしまうので、毎日こまめに摂るのがいいでしょう。

「これを食べれば下肢静脈瘤に効く!」という食物はありませんが、塩分や脂質を摂りすぎず、食物繊維はたくさん摂って、健康的な食生活を心がけることが大切です。

肥満・便秘は下肢静脈瘤に悪影響を及ぼす

肥満や慢性的な便秘の人は、下肢静脈瘤を発症するリスクがあります。

特に女性では肥満との関連が高く、BMI(体重kg÷〈身長m×身長m〉が30以上の人は要注意です。

肥満が下肢静脈瘤に悪影響を与える原因は、ぽっこりおなか。

皮下脂肪たっぷりのおなかは腹圧を上昇させ、座ったときには鼠径部を圧迫し、血液の流れをストップさせてしまいます。

これは、下肢静脈瘤の大敵。

また、肥満の人は全般的に運動不足なので、血流が悪くなっていることも理由のひとつです。

慢性的な便秘の人も、おなかがぽっこりしていることが多いもの。

排便時に腹圧が強くかかり、下肢静脈瘤を悪化させることがあります。

特に肥満は下肢静脈瘤だけでなく、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病リスクが高まり、脳梗塞や心筋梗塞を起こす場合もあります。

全身の健康と病気の予防のためにも肥満を解消しましょう。

締めつけるファッションは大敵!
ゆるりとリラックスできる服装を

血流を妨げるようなファッションは、下肢静脈瘤を悪化させる恐れがあります。

おなかを締めつける服、補正下着はよくありません。

デニムも素材が硬いので、座ったときに足の付け根が圧迫され、血行が悪くなる可能性があります。

おすすめは、ゆるっとしたシルエットのワンピースやスカート、ワイドパンツなど。

ズボンのベルトはきつく締めすぎないようにしましょう。

靴については、ハイヒールやロングブーツは足首の動きが制限されてしまうので、ふくらはぎの筋ポンプ作用がうまく働かずに血行が悪化する可能性があります。

スニーカーやローヒールの靴など歩きやすい靴を履きましょう。

 

広川雅之

東京医科歯科大学血管外科で静脈の病気を専門として診療を行い、内視鏡的筋膜下穿通枝切離術(99年)、日帰りストリッピング手術(2000年)、血管内レーザー治療(02年)など、下肢静脈瘤の新しい治療法の研究・開発を行っている。

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血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方

広川雅之KADOKAWA

最近、自分の足をじっくり見たことがありますか?謎のボコボコができていたり、青い血管がウネウネしていたり…。もしかしたらそれ、下肢静脈瘤かもしれません。本書では下肢静脈瘤のセルフケア方法「1分体操」を紹介。正しい知識を身につけ、「ボコボコ足」とサヨナラしましょう。

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※この記事は『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』(広川雅之/KADOKAWA)からの抜粋です。

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