足の血管が浮き出る、ボコボコしている、むくみがひどい...。それらの症状は「下肢静脈瘤」が原因かもしれません。放置しておくと重症化する場合もある「下肢静脈瘤」ですが、軽症のうちはセルフケアで何とかなります! そこで今回は"血管の名医"である広川雅之先生の著書『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』をご紹介。自分の症状はセルフケアで治るの? 放っておくとどうなるの? 別の病気の可能性は? 「下肢静脈瘤」に関する疑問を名医が徹底解説します。
※本記事は広川雅之著の書籍『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』から一部抜粋・編集しました。
【前回】「下肢静脈瘤」の症状を改善する「ウォーキング」。効果を高める「3つのポイント」とは
血液循環をよくする入浴は湯温がポイント
毎日の入浴は血行改善に直結する生活習慣です。
ここでは効果的な入浴法を紹介します。
入浴が血行改善に効く理由は2つあります。
ひとつは温熱作用です。
湯船につかって体が温まると毛細血管が開き、全身の血液循環がよくなります。
そのため、むくみやだるさを解消でき、体の疲れがとれるのです。
入浴剤などを入れると、さらに保温効果や香りによるリラックス効果が得られます。
炭酸ガス入り入浴剤は、血行促進効果が高くおすすめです。
もうひとつは水圧作用です。
湯船につかると水による圧力がかかり、足にたまった老廃物を含む血液が心臓に押し戻されるのです。
肩までつかるより、長時間つかっていられる半身浴が〇。
ここで気をつけたいのが、お湯の温度。
熱すぎるお湯につかると血管が収縮し、実は逆効果になってしまうのです。
血行改善に効果的なお湯の温度は40度ぐらいといわれています。
湯船の中で足のマッサージを行えば、血流はさらにアップします。
「熱いお湯じゃないとお風呂に入った気がしない」という方がいらっしゃいますが、42度以上の熱いお湯は血圧を一気に上昇させ、ヒートショックを起こすことがあるので危険です。
ぬるめのお湯にじっくりつかるように心がけましょう。
夏場はシャワーだけですませる方もいますが、夏も冷房の影響や冷たいものの取りすぎで、意外と体は冷えています。
しっかり湯船につかって、血行を促進させましょう。
ぬるめのお湯につかると、副交感神経が働くのでリラックス効果も期待できます。
すると、夜も快適に眠れます。
翌朝には、足のむくみやだるさも軽くなっていることでしょう。
入浴法
お風呂の入り方をひと工夫すれば、さらに血流アップ!
足の不快な症状がある方は、シャワーではなく湯船につかりましょう。
【ポイント1】お湯の温度は40度ぐらい。ぬるめのお湯で半身浴を。
【ポイント2】湯船で足を伸ばすだけでも、血液が循環しやすくなります。
【ポイント3】湯船につかりながら足をマッサージをすると、効果大!
理想のパターン
入浴
半身浴で血のめぐりをよくします。あがったら、足を上げて10分ぐらい休憩を。
体操
血流がよくなったタイミングで体操することで、血液が心臓に戻りやすくなります。
就寝
体がポカポカしているときに床に就くと、ぐっすり眠ることができます。