足の血管が浮き出る、ボコボコしている、むくみがひどい...。それらの症状は「下肢静脈瘤」が原因かもしれません。放置しておくと重症化する場合もある「下肢静脈瘤」ですが、軽症のうちはセルフケアで何とかなります! そこで今回は"血管の名医"である広川雅之先生の著書『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』をご紹介。自分の症状はセルフケアで治るの? 放っておくとどうなるの? 別の病気の可能性は? 「下肢静脈瘤」に関する疑問を名医が徹底解説します。
※本記事は広川雅之著の書籍『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』から一部抜粋・編集しました。
【前回】足のむくみ・だるさを解消! 実は知らない「弾性ストッキング」の正しい「選び方」と「はき方」
生活習慣を見直して、血流アップのために日々の工夫を
下肢静脈瘤の症状を軽減するには、足の血流をよくすることが一番です。
発症する原因のひとつにもなる立ちっぱなしや座りっぱなしの状態は、足に血液をうっ滞(停滞した状態)させる要因になります。
そうならないよう、体操やマッサージ以外でも日常生活で工夫できることがあります。
まずは歩くこと。
ふくらはぎの筋肉は足を動かすと縮んだりゆるんだりして血液が心臓に戻るのを助けます。
これを筋ポンプ作用といい、ふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれる理由です。
歩くのは1日20分程度、ゆっくりでいいので毎日続けましょう。
足がむくみやすくなる午後から夕方にかけて歩くのがベストですが、むずかしい方は自分のライフスタイルに合わせてください。
仕事をしている方なら、会社までのひと駅分を歩いたり、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使ったりするのもいいでしょう。
最近はリモートワークで家で座りっぱなしだという方がいます。
座りっぱなしも下肢静脈瘤が悪化する要因です。
お昼休みに散歩をすると、気分転換も兼ねることができます。
また、休息のとり方でも下肢静脈瘤を改善することができます。
それは、足を高くした状態で休むこと。
ソファーで横になり、足の下にクッションなどを入れて足の位置を高くしましょう。
できれば1~2時間に1回、5~10分を目安に休むようにするといいでしょう。
入浴もシャワーだけで済ませていると血流が悪くなることがあります。
ぬるめのお湯にゆっくりとつかり、足のマッサージするといいでしょう。
食事も、塩分を摂りすぎると足がむくみます。
体を締めつけるきつい服や補正下着は静脈の血液が心臓に戻るのに悪影響があります。
下肢静脈瘤は環境によってなりやすい病気なので、生活習慣を改善すると、劇的によくなることがあります。
ウォーキング
足の筋肉を使うと、血行がよくなり足のむくみやだるさが解消されます。
自分に合った靴を選んで、散歩気分で歩く習慣をつけましょう。
【ポイント1】大股でスタスタ歩きましよう。ふくらはぎの収縮が強くなります。
【ポイント2】歩く時間は20分程度 が目安です。長続きするためには無理は禁物。
【ポイント3】足の不快な症状が出や すくなる午後から夕方にかけて歩きましよう。
足を高くして休む
足を心臓よりも高い位置にすると、血液が心臓に戻りやすくなります。
テレビを見たり本を読んだりしながらでもできます。
【ポイント1】クッションや座布団を足の下にしき、足を心臓より高い位置にしましよう。
【ポイント2】1回5 ~10分程度が目安です。時間があるときはそのまま少し眠っても。
【ポイント3】横になれないときは、イスに座って足を伸ばして台などに載せるだけでも。