肥満や心筋梗塞、認知症の予防に。「食後血糖値」を抑える新健康習慣「めかぶファースト」

海藻シェアの上位を占める専門メーカー・トリトンフーヅは、和洋女子大学の多賀昌樹(たが・まさき)准教授との研究で、めかぶを食事の最初に食べるだけで食後高血糖を抑えられることを確認。めかぶのもつ健康効果が注目されています。今回は、和洋女子大学 健康栄養学科 准教授の多賀昌樹先生に、「めかぶファーストの健康効果」についてお聞きしました。

食前にめかぶ1カップで血糖値急上昇を防ぐ

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上のグラフは、20歳以上の健康な成人女性を対象に、「白米(200g)」「生キャベツ40gを食べた後に白米」「めかぶ1カップ40gを食べた後に白米」の3つの食事法で食後血糖値の推移を比較したもの。食前にめかぶを食べる「めかぶファースト」な食事法は、食後の血糖値上昇を強く抑制することが分かりました。

めかぶファーストの健康効果
糖尿病予防
食後血糖値が高い状態が長く続くと、糖尿病の発症リスクが高まります。また、脳卒中や心筋梗塞、アルツハイマー型認知症のリスクにも。

肥満予防
めかぶに含まれるフコキサンチンという成分には、体重や体脂肪を減少させる効果があります。食後の中性脂肪の急激な上昇を抑える働きも。

減塩
めかぶには、食塩の排出を促す作用があり、食前に食べるだけで約1g減塩できます。必要以上に食塩が排出されることはありません。

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こんな食べ方も
・汁ものに入れて
・サラダのトッピング
・ご飯にのせてめかぶ丼

【食べ方は?】
めかぶは、砂糖や果糖ぶどう糖液糖などの糖質が入っていないものを選び、塩や酢、しょうゆなどで薄めに味付けを。タレに糖質が入っている場合もあるので、お好みの調味料を使うのがおすすめ。


糖尿病や心筋梗塞、認知症などの引き金となる食後高血糖。

予防には、食物繊維を多く含む野菜から先に食べる「ベジファースト」が有名です。

しかし、最近の研究で、めかぶを食べた方がより効果が高いという結果が。

このことから、食事の最初にめかぶを食べることを「めかぶファースト」と呼びます。

「めかぶのねばねば成分である水溶性食物繊維のアルギン酸が、腸の壁に膜を作って糖質の消化吸収を緩やかにし、血糖値の上昇を抑えると考えられます」と、多賀昌樹先生。

研究では、GLPー1(ジーエルピーワン)という消化管ホルモンが小腸から長時間分泌されることも判明。

「GLPー1は、食後血糖値が上がると膵臓に働きかけてインスリンの分泌を促し、血糖値を下げる働きがあります。満腹感を感じさせる作用もあり、食べ過ぎも抑えられます」

実践は、食事の最初に、めかぶ1カップ(約40g)を食べ、その後普通に食事をするだけ。

「おすすめは朝食です。一日の活動が始まる時間帯にめかぶを食べることで、その後の血糖値の上昇を抑制しやすくなると期待できます」

この他、めかぶファーストには減塩効果も認められています。

新たな健康習慣として試してみてはいかがでしょう。

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取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) イラスト/坂木浩子

 

<教えてくれた人>

和洋女子大学 健康栄養学科 准教授
多賀昌樹(たが・まさき)先生

管理栄養士、博士(医学)。徳島大学医学部栄養学科卒業。テキサス大学ヒューストン校医学部外科研究員、北里大学保健衛生専門学院管理栄養科学科長を経て現職。

この記事は『毎日が発見』2022年11月号に掲載の情報です。

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