老化をスローダウンさせるために。「夢を描く」生き方を/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方

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「すぐにイライラしてしまう」「なんとなくモヤモヤする」...そんな「負の感情」との付き合い方に悩んでいませんか? 
年齢を重ねれば誰もが感情のコントロールが難しくなるもの。「負の感情」をコントロールし、スッキリ生き生きと生きるために、脳科学や心理学の知見によって得られた効果のある実践的な方法を、書籍『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』から学んでいきましょう。

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「夢を描く」生き方が老化をスローダウンさせる

私の個人的な発想としては、若者っぽい表現を許してもらえば、「夢を抱く」生き方を心身ともに実践してほしいと思います。

私はすでに中年を過ぎていますが、私が知り合いの皆さんに実年齢をいうと、「驚くほど若い」とビックリされます。同窓会に行っても「変わらないね」とみな驚くようです。お世辞として受け流していますが、私がいつも夢を持って前頭葉を刺激する生き方をしているからではないかと自己分析しています。

私は高校生のときに映画監督になりたいという夢がありました。
映画をつくるには多額の資金が必要であることを知った私は、お金になる自由業をと思い、医者になろうと考えました。その夢は47歳になって初めて映画を撮ることで実現しましたが、いまでも次回作はどんなものにしようかという夢がどんどん膨らんでいます。こうした夢があるから仕事をがんばれるという側面があることは確かです。

周囲の環境に関心の高い私が見る限り、「夢を諦めた人」あるいは「夢をもてない人」は、比較的老化が早いと感じます。私と同じように昔、映画監督を目指していた人がいますが、彼は普通のサラリーマンになって、会社での保身と家庭を守ることに腐心している間に、夢が昔の思い出話でしかなくなってしまったようです。
こうなると、やはり年相応か、それ以上の老け方をしていくように思います。これはあながち偏った見方ではないように思いますが、みなさんはいかがでしょうか。

やはり夢や希望や創造性は前頭葉の働きによる面が大きく、夢を持ち続けることが前頭葉を刺激して、感情の老化予防に役立っているように思えてなりません。
もちろん、大それた夢は昔の思い出話としてとっておけばよく、いまはいまなりの夢を描けばいいと思います。「一度でいいから、イギリスの名門コースでゴルフがしてみたい」とか、「定年になったら、キャンピングカーで日本一周してみたい」という具合に、思い切って手を伸ばせば届く夢があるはずです。「夢なんて今さら」などと思う必要はありません。

夢は実現すればしたで大変結構なことですが、なかなか実現しなくても夢に向かって熱中していたり、あれこれ夢想している状態は脳によい刺激になるし、それだけで幸せといえるのではないでしょうか。

夢をもってそれに向かって活動していれば、必ず感情の老化は遅らせられると信じています。

 

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和田秀樹(わだ・ひでき) 

1960年、大阪府生まれ。精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て独立。エグゼクティブ・カウンセリングを主とする「和田秀樹こころと体のクリニック」を設立し、院長に就任。国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)、川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。著書に『感情的にならない本』(新講社)ほか多数。

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『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』

(和田秀樹/KADOKAWA)

感情の不調は"脳"で治す! 医師にしてベストセラー作家が教える、誰でもできる習慣術。「笑い」を解放することが前頭葉を刺激する、「"こだわり"にこだわらない」がポイント、競輪競馬やゴルフ、マラソンの向上心は脳にいいなど、脳科学や心理学の知見によって得られた「効果のある」「実践的な方法」を一挙に紹介!

 
この記事は書籍 『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』からの抜粋です

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