認知症の予防や対策などについて考える「第7回日本認知症予防学会学術集会」が、 ことし9月、岡山市で開催されました。今回の学術集会で発表された最新の情報を基に、日常生活の中でできる、 認知症予防策をご紹介します。
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認知症の発症予防は、生活習慣を見直して早めの対策を
認知症は、軽度認知障害(MCI)、 軽度、中度、高度と4段階で進行していきます。では、認知症は、どれくらいの期間をかけて、どのような経過をたどって進行していくのでし ょうか? 鳥取大学医学部教授で日本認知症予防学会理事長の浦上克哉先生に伺ってみました。
「認知症の進行の仕方は、原因や本人を取り巻く環境などによって少しずつ異なりますが、大きな流れとしては同じだと考えられます。日本人にいちばん多く、認知症全体の約6割を占めるアルツハイマー型は、アミロイドβ(ベータ)たんぱくという物質が脳に蓄積され、これが変化して毒性をもつことで神経細胞が徐々に破壊され、認知障害が起こるとされています。アミロイドβたんぱくの蓄積は、認知症発症の 10 ~20 年ほど前から始まっているといわれていますが、その原因ははっきり分かっていません。糖尿病などの生活習慣病や、睡眠不足、疲労なども一因と考えられています」。
このような状態に、運動不足や過度なストレス、栄養バランスの乱れ、脳をあまり使わない生活などがプラスされると、認知症のリスクは一気に高まります。ですが、生活習慣を変えることで脳の神経細胞が活性化し、予防することもできます。早めに予防対策に取り組みましょう。
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取材・文/笑(寳田真由美)
<教えてくれた人>
浦上克哉(うらかみ・かつや)先生
医学博士。鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座・環境保 健学分野教授。日本認知症予防学会理事長。認知症診断・予防の第一人者。『認知症&もの忘れはこれで9割防げる!』(三笠書房)など著書多数。
浦上克哉(うらかみ・かつや)先生
医学博士。鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座・環境保 健学分野教授。日本認知症予防学会理事長。認知症診断・予防の第一人者。『認知症&もの忘れはこれで9割防げる!』(三笠書房)など著書多数。