においに鈍感になったら認知機能が衰えているかも!?/認知症予防(3)

pixta_15419284_S.jpg認知症の予防や対策などについて考える「第7回日本認知症予防学会学術集会」が、 ことし9月、岡山市で開催されました。今回の学術集会で発表された最新の情報を基に、日常生活の中でできる、 認知症予防策をご紹介します。

前の記事「認知症ってどんな風に進行するの?/認知症予防(2)」はこちら。

 

認知機能の衰えは、嗅神経の衰えから始まります

一般的に、アルツハイマー型認知症はもの忘れから始まるといわれています。記憶を司る海馬が、アミロイドβ(ベータ)たんぱくの蓄積によって障害を受けることで記憶障害が起きるためです。ですが、実は海馬よりも先に障害を受けるのが嗅神経(きゅうしんけい)
だということが分かっています。嗅神経は、鼻から吸い込んだにおいの粒子を電気信号に変えて脳に伝えます。それが障害を受けると、においを認識できなくなるのです。

「食べ物が腐ったにおいや、室内や衣類の悪臭が気にならない人は、アルツハイマー型の可能性があります。嗅神経の障害は、やがて記憶を司る海馬へと広がり、徐々にもの忘れが増えていきます。嗅覚の衰えはアルツハイマー型認知症の兆候といえます。しかし、 嗅神経の機能は、暮らしの中で割合 簡単に回復させることができます」 とは、鳥取大学医学部教授で日本認知症予防学会 理事長の浦上克哉先生。

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脳内にアミロイドβたんぱくがたまると、上図にある嗅神経が障害を受けて、においが分からなくなります。すると、海馬も障害を受け、徐々にもの忘れがひどくなります。

では、嗅神経を回復させるために、生活の中でできることとはどんなことでしょう?
「ヨーロッパなどで広く親しまれているアロマセラピーは、生活リズムに合わせて心地良い香りをかぐことで脳の神経細胞に直接作用し、認知機能を回復させることが分かってい
ます」(浦上先生)。

ここで一つ注意したいのが、化学合成された香りです。最近あふれているこうした香り の成分は、個々では問題がなくても 長年にわたってかぎ続けることで思わぬ不調の原因になることも。極力、 自然の香りをかぐことが重要なので、 アロマセラピーを楽しむ際にも、オーガニックのものを選ぶことが認知症予防には効果的です。

繰り返しますが、嗅神経は、早めに対策することで回復させることができます。安全で長く続けられる方法を見つけて、積極的に普段の生活に取り入れてみましょう。

 

次の記事「時間や曜日を何度も聞く、財布の中に小銭が増えた...「これって認知症?」をチェック!/認知症予防(4)」はこちら。

取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/フカザワテツヤ

<教えてくれた人>
浦上克哉うらかみ・かつや先生
医学博士。鳥取大学医学部保健学科生体制御学講座・環境保 健学分野教授。日本認知症予防学会理事長。認知症診断・予防の第一人者。『認知症&もの忘れはこれで9割防げる!』(三笠書房)など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2017年12月号に掲載の情報です。
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