仕事一筋人間より"ラーメンに異常に詳しいサラリーマン"のほうがいい/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方

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「すぐにイライラしてしまう」「なんとなくモヤモヤする」...そんな「負の感情」との付き合い方に悩んでいませんか? 
年齢を重ねれば誰もが感情のコントロールが難しくなるもの。「負の感情」をコントロールし、スッキリ生き生きと生きるために、脳科学や心理学の知見によって得られた効果のある実践的な方法を、書籍『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』から学んでいきましょう。

前の記事「不確定なこと、予測不能なことにトライして脳を活性化!/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(23)」はこちら。

「〇〇一筋」という考えをやめる

日本では「転石苔を生ぜず」といって、一つのところにとどまっていないで、職業や住所を転々とする人は地位も財産も得られないと考えられています。「石の上にも三年」と同じような意味で使われます。「転石苔を生ぜず」はもともとイギリスのことわざであったようですが、かつての終身雇用に見られるように日本人にも合致した考え方だったので、日本でもよく使われた言葉です。

しかし、いまの時代は「これ一筋」というものを持っておくだけでなく、二筋か三筋をつくっておいたほうがいいのです。
実はこの「転石苔を生ぜず」ということわざは、アメリカでは「活発に活動している人は時代の流れに取り残されることがない」とまったく逆の意味でとらえられていたりします。また、日本でも苔が生えるのは奥ゆかしく味わい深いものだという感覚がまだない若者は、このことわざをアメリカ的にとらえています。

前頭葉を鍛える意味においては、このアメリカ人のような考え方をするべきです。活発に活動して「二筋目」「三筋目」をつくっておくのです。
二筋、三筋というのは、別の世界を持っておくという意味であって、必ずしも副業とは限りません。

いつもは普通のサラリーマンだけど、ラーメンだけには異常に詳しいとか、筋トレが趣味で玄人はだしだという人もいるでしょう。もちろん、本業で挫折してしまったときのリスクヘッジとしても機能するでしょうし、前頭葉の働きをよくするためにも、別の世界をつくっておくことは重要です。

東大を出て官僚になったような、エリート街道を突っ走ってきた人が自殺すると、「失敗をしたことがないから、挫折に弱いのだ」とよく言われますが、精神科医の私から見れば、挫折に弱いのではなく、「人生一筋」でその道しか知らなかったために、他に道があると考えられなかったのではないかと思います。

スポーツをしていたり、楽器を演奏していたりなど、自分が心底夢中になれる楽しみが何か一つでもあれば、仕事上でどん底に突き落とされたときでも、それなら別の世界に進もうかと思えるかもしれません。

もちろん、「真面目であるだけではダメだ」とか、「趣味を極めなさい」と言っているのではありません。頭の中が「一筋」だけで満たされないようにすることが、心の健康にも寄与するということです。

 

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和田秀樹(わだ・ひでき) 

1960年、大阪府生まれ。精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て独立。エグゼクティブ・カウンセリングを主とする「和田秀樹こころと体のクリニック」を設立し、院長に就任。国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)、川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。著書に『感情的にならない本』(新講社)ほか多数。

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『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』

(和田秀樹/KADOKAWA)

感情の不調は"脳"で治す! 医師にしてベストセラー作家が教える、誰でもできる習慣術。「笑い」を解放することが前頭葉を刺激する、「"こだわり"にこだわらない」がポイント、競輪競馬やゴルフ、マラソンの向上心は脳にいいなど、脳科学や心理学の知見によって得られた「効果のある」「実践的な方法」を一挙に紹介!

この記事は書籍 『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』からの抜粋です
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