運動時、日常生活、どっちが不安? アクティブシニアの熱中症対策

少しずつ気温が高まり、熱中症が心配な季節になってきました。

熱中症対策に欠かせない水分補給を呼び掛ける啓発活動を行う、コカ・コーラシステム「アクエリアス」は、「アクティブシニアの水分補給に関する調査」を行いました。対象は、運動、散歩、旅行など体を動かす趣味を持つ60~79歳の「アクティブシニア」男女各100人。そこから見えてきたのは、運動をしているときよりも、日常生活の中に熱中症の不安を抱えているという実態でした。

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不安を感じるのは「運動時」よりも「移動・外出時」

総務省消防庁が行っている統計では、昨年5~9月に救急搬送された熱中症患者47,877人のうち半数以上が高齢者です。5・6月だけでも6,500人以上が搬送されており、真夏だけでなく今からでも熱中症に気を付けて生活することが大切です。

では実際、アクティブシニアはどんな時に不安を感じているのでしょう。

アンケートによると、熱中症になる不安を感じるタイミングとしては、「気温が高いとき」(79.5%)が約8割と最も多く、続いて「長時間、外を移動するとき」(67.1%)、「外出をするとき」(63.0%)でした。「運動するとき」(61.6%)よりも移動時や外出時の方が熱中症になる不安を感じる人が多くなっています。

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アクティブシニアは意識が高い! 96%以上の人が熱中症対策を実施

続いて、移動や外出など屋外ではどのような熱中症対策を行っているかを見てみましょう。

屋外で何かしらの熱中症対策を行っている人は96%と多いことが分かりました。またその対策の内容については、86%の人が「水分補給をこまめにする」と答え、水分補給の大切さが広く認識されているようです。ほかにも「帽子を被る」(67.0%)、「衣服を工夫する(吸水性・速乾性等)」(43.5%)、休憩をこまめにとる/凉をとる」(49.0%)など、屋外での行動に注意をしていることが分かります。

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また、屋外同様、屋内でも96.5%もの人が熱中症対策を行っているという結果が出ており、アクティブシニアの意識の高さがうかがえます。しかし意識が高い一方で、対策の方法として「塩分補給系飲料を飲む」人は屋外では3割未満、屋内では2割未満にとどまり、スポーツドリンクや経口補水液を取り入れている人はまだ少ないようです。

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そしてアクティブシニアが心がける「こまめな水分補給」には「水・ミネラルウォーター」(49.0%)を飲むと答えた人が約半数で最も多く、次いで「コーヒー」(42.5%)、「炭酸飲料」(38.0%)という結果になりました。普段から飲み慣れている水・ミネラルウォーターで水分補給を行うほか、コーヒーや炭酸飲料水が嗜好品として好まれているようです。

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水分・塩分を補給できるスポーツドリンクは有効な熱中症対策に

こうしたアンケート結果をふまえ、帝京大学医学部附属病院の三宅康史教授は「熱中症への不安は『運動時』よりも『移動・外出時』の方が大きいという結果がありましたが、服装やスポーツドリンクなど、しっかりと用意をする『運動時』に比べ、『移動・外出時』には、荷物、交通事情、天候など、違う心配事への対策が増えるため、十分な熱中症対策が難しいのではと感じました」とアクティブシニアの心理を分析。

そして、水分補給の注意事項として、次のように語りました。

「持病や生活習慣などによって、個々に必要な水分・塩分量は異なります。体重・血圧の変化は、水分・塩分が足りているかを、かかりつけ医が判断できる材料になります。コロナ禍で体温計測を習慣化された方は多いと思いますが、それに加えて毎日同じ時間に体重・血圧を記録すると、持病管理や健康維持につながりますので、おすすめです。
厳しい暑さが予想される夏、汗をかくと塩分も失います。朝起きてすぐやスポーツで汗をかいた後、水分・塩分を補給できるスポーツドリンクは有効な熱中症対策になります。人気の高かったコーヒーや炭酸飲料を楽しむことに加え、熱中症対策のための水分補給も意識すると良いと思います」

高齢者は熱中症で深刻な症状が出やすい傾向がありますが、「涼しい環境づくり、運動習慣を続け、自分の体に合った水分・塩分補給を心がけて、元気に夏を過ごしていただきたいと思います」と三宅教授。

日ごろから熱中症対策に意識が高いアクティブシニアは、必要以上に心配しすぎるのではなく、目覚めたらスポーツドリンクで水分補給をするなど適切な対策をしながら、外出や運動を楽しむ生活を続けたいですね。

 

帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター センター長 帝京大学医学部救急医学講座教授

三宅康史教授

1985年東京医科歯科大学医学部卒業同年東京大学医学部附属病院救急部入局、その後公立昭和病院脳外科、外科、救急部(ICU)、昭和大学医学部救急医学講座/救命救急センター、さいたま赤十字病院救命救急センターを経て、2003年より昭和大学医学部救急医学講座准教授、2012年同教授、2016年より現職。

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