「いつまでも骨も健康でいたい」と思っていても、ついつい不足してしまいがちなカルシ
ウム。また、摂っているつもりであっても十分には足りていないという可能性もあります。
実は、カルシウムの吸収率は、年齢とともに低下していくもの。さらに、女性は閉経期を
境に骨量の減少が加速するとも言われています。だからこそ、効率のいいカルシウム摂取
を普段の生活から心掛けていくことが大切です。
年間3%近いペースで骨量が減少! 閉経期を境に「カルシウム不足」が目立ち始め...
私たちが思っている以上に、骨はさまざまな役割を担っています。骨によって身体は支えられていますし、骨と筋肉がつながり、関節が支点となることで、足を動かしたり腕を曲げたりすることもできます。
また、頭がい骨は脳、肋骨は肺や心臓、背骨は脊髄神経など、重要な臓器は硬い骨によってしっかりと衝撃から守られています。骨の中心部にある骨髄には、血液の原料となる造血幹細胞が存在し、赤血球、白血球、血小板を生成。骨があるからこそ、血液は作られます。
さらに、骨はカルシウムの貯蔵庫でもあります。体内のカルシウムの99%が骨に、残りの1%が血液に存在し、血中のカルシウム濃度が低くなると骨からカルシウムを補給。カルシウムは多すぎても少なすぎても良くないため、濃度調節に骨が重要な役割を果たしているのです。
そんなカルシウムは、十二指腸や小腸といった腸管で体内に取り込まれます。ただ、その吸収率は、乳幼児で65~75%、成人で30~40%、シニアでは20%台と、年齢が上がるにつれて低下していく一方。
特に女性は50歳前後で閉経を迎えると、骨を形成する細胞を助け、カルシウム吸収に役立つ働きをしている「卵胞ホルモン」の量が、それまでの10分1以下に激減します。そのため、50代を過ぎるとカルシウム不足が目立ち、全骨量に対して年間3%近いペースで骨量の減少が進んでしまうそう。加齢によるさまざまな身体の変化は、骨にも大きな影響を与えているのです。
カルシウムは吸収されにくい!? 吸収率が高い「牛乳・乳製品」の摂取が大事
このように、骨の健康に欠かせないとても大切な栄養素であるカルシウムですが、実は吸収されにくい栄養素でもあります。だからこそ、食品ごとの吸収率を知って、毎日しっかりとカルシウムを摂ることが重要です。
カルシウムは、小魚、小松菜などの緑黄色野菜などに多く含まれていますが、中でも、牛乳・乳製品は豊富に含まれるだけでなく、吸収率が最も高い食品。牛乳だとコップ1杯に含まれるカルシウムは227mgで吸収率は40%。小魚(33%)や野菜(19%)に比べて、より多くのカルシウムを効率よく摂ることができます。これは、牛乳中のカルシウムとリンのバランスが、カルシウムの吸収に理想的であるほか、乳糖やカゼインホスホペプチド(※CPP)の作用によるものと考えられています。
骨粗しょう症の予防には、1日に700~800mgのカルシウム摂取が推奨されているため、吸収率も考慮して、牛乳・乳製品を食事やおやつに上手に活用してみるといいかもしれません。
※CPPは牛乳のたんぱく質を消化する過程で生成されます。
カルシウムの摂取状況をチェック! 結果は...
まずは食生活を見直す第一歩として、必要なカルシウムが足りているのか確認してみたいところ。ただ、食事を記録してカルシウムの含有量を計算して...となると大変です。そこで牛乳、乳製品などの製造・販売をする雪印メグミルクのサイト『骨の健康応援!骨ちょっといい話』では、食生活に関するいくつかの質問に答えるだけで自分のカルシウム摂取状況をチェックすることができます。
実際にチェックしてみると「良い」「少し足りない」「足りない」「かなり足りない」、そして「まったく足りない」との判定が出ることも。この場合、「カルシウムがほとんどとれていません。このままでは骨が折れやすくなってとても危険です」とも書かれているので、少しショックを受ける結果かもしれません。
ただ、自分に必要な1日のカルシウム摂取量や、カルシウムを上手に摂るためのアドバイスも一緒に書かれているので、普段の食生活やカルシウムに対する認識を改める良いきっかけになりますよ。
また、カルシウムは摂取だけでなく、吸収、定着も大切です。そのために日光浴、バランスの取れた食事、適度な運動は必要不可欠。他にも骨の健康維持に着目した保健機能食品などを取り入れてみるのもひとつの手です。
いつまでも健康な日々を送るために、今の食生活でカルシウムがきちんと足りているのかチェックして、生活を見直してみませんか?