50~60代になると社交的になる女性、"枯れて"いく男性/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(13)

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「すぐにイライラしてしまう」「なんとなくモヤモヤする」...そんな「負の感情」との付き合い方に悩んでいませんか? 
年齢を重ねれば誰もが感情のコントロールが難しくなるもの。「負の感情」をコントロールし、スッキリ生き生きと生きるために、脳科学や心理学の知見によって得られた効果のある実践的な方法を、書籍『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』から学んでいきましょう。

前の記事「ダイエットで肉を食べないとうつ症状が出るようになる/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(12)」はこちら。

ホルモンバランスは男女差と年齢で変わる

感情を左右する要素としては、ホルモンの影響も見逃せません。
一般的に更年期障害が起こると、「体のほてり」や「大量の汗をかく」といったことのほかに、「ずっとイライラが続く」「不安が強くなる」といったことも見られるようになります。これらを不定愁訴(しゅうそ)と呼びます。

ホルモンとは体内の特定の組織や器官の生理・活動を調節する物質で、内分泌器官から分泌され、体液(血液)を通して体内を循環しています。ホルモンはさまざまありますが、卵巣、精巣といった器官から分泌されるものはとくに性ホルモンと呼ばれています。

他のホルモンと同様に性ホルモンも加齢によって分泌量が変化します。40代くらいから女性は女性ホルモンが減り、男性は男性ホルモンが減っていきます。女性にも微量の男性ホルモンがあり、男性にも微量の女性ホルモンがあります。女性では女性ホルモンが、男性では男性ホルモンが減ることによって、ホルモンバランスが変化することによって出てくる不定愁訴が更年期障害と呼ばれるものです。

最近は女性のみならず、男性にも更年期障害を経験する人がいることが知られるようになってきました。女性の場合は閉経というエポックメイキングな出来事が起こるので、認識しやすかったのですが、男性の場合はそれがなかったため、これまであまり問題にされなかったのだと思われます。

しかしながら、40代以降、男性も女性も更年期障害は起こるのであり、気分の落ち込みやイライラはホルモンバランスの変化によって起こる場合があるのです。
女性の場合は歳をとると男性ホルモンが増えることがわかってきました。女性が50代、60代になって社交的になったり、アクティブになったりするのはそうした理由があります。

ところが男性の場合は、高齢になるに伴い、男性ホルモンが相対的に減ることによって、意欲の低下や社交性が落ちるといったことが起きます。
結果として、男性は、歳をとると人間と付き合うのが面倒くさくなってくるとか、新しいことをやる気にならないといったことが起きます。
いわゆる「枯れる」と表現されるような心境になっていくのです。これも感情の老化といっていいでしょう。

バリバリの営業マンだった人が50代になると、人の話をよく聞き、穏やかな丸い人間になることがあります。かつてはこうした母親的な人は管理職になることが好まれたのです。それは、男性ホルモンが減って相対的に女性ホルモンが増えてきたために起こる性格の変化です。
ところが、最近は定年までずっとバリバリとアクティブに仕事をする人のほうが望まれていて、男性ホルモンが減って枯れたように見える人は意欲のない人に見られがちで、下手をするとリストラの対象になりかねません。これも時代の変化ですから、しかたない面があります。

男性ホルモンであるテストステロンの原料となるのはコレステロールです。コレステロール値が低すぎるのは男性ホルモンの低下を招きます。コレステロールは脂質のひとつで、確かに摂りすぎると動脈硬化の原因になってしまうのですが、少なすぎるのもよくないということです。やはり卵や肉類をしっかり摂ることは大切です。

 

次の記事「性ホルモンの働きがよい人は脳の働きもよい/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(14)」はこちら。

和田秀樹(わだ・ひでき) 

1960年、大阪府生まれ。精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て独立。エグゼクティブ・カウンセリングを主とする「和田秀樹こころと体のクリニック」を設立し、院長に就任。国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)、川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。著書に『感情的にならない本』(新講社)ほか多数。

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『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』

(和田秀樹/KADOKAWA)

感情の不調は"脳"で治す! 医師にしてベストセラー作家が教える、誰でもできる習慣術。「笑い」を解放することが前頭葉を刺激する、「"こだわり"にこだわらない」がポイント、競輪競馬やゴルフ、マラソンの向上心は脳にいいなど、脳科学や心理学の知見によって得られた「効果のある」「実践的な方法」を一挙に紹介!

この記事は書籍 『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』からの抜粋です
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