ダイエットで肉を食べないとうつ症状が出るようになる/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(12)

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「すぐにイライラしてしまう」「なんとなくモヤモヤする」...そんな「負の感情」との付き合い方に悩んでいませんか? 
年齢を重ねれば誰もが感情のコントロールが難しくなるもの。「負の感情」をコントロールし、スッキリ生き生きと生きるために、脳科学や心理学の知見によって得られた効果のある実践的な方法を、書籍『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』から学んでいきましょう。

前の記事「高齢者が役所で怒鳴るのは前頭葉の機能の衰えから/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(11)」はこちら。

40代以降、神経伝達物質が減るとイライラが起こる

前頭葉の機能の衰えの原因のひとつと考えられる神経伝達物質の減少が感情に与える影響について、もう少し詳しく解説しておきましょう。

前頭葉の働きを阻害する大敵と思われるものがいくつかあります。ひとつはすでに述べた動脈硬化です。動脈硬化は40代くらいから少しずつ始まります。

もうひとつが神経伝達物質の減少でしたね。神経伝達物質のうち、イライラやモヤモヤ、気分の落ち込みに関与しているのがセロトニンです。セロトニンはすでに述べたように、ノルアドレナリンやドーパミンと並んで、脳内でとくに重要な役割を果たしている神経伝達物質の一つとされています。このセロトニンも40代以降、徐々に分泌が減っていきます。

そもそも神経伝達物質というのは、神経と神経の間で情報を伝達するために分泌される物質です。たとえばお湯を沸かしているやかんに触れて「熱い」と感じるとき、神経と神経の間で、「熱い」という情報を伝達するかどうか、ONかOFFかのスイッチの役目をするのがこの神経伝達物質です。

このスイッチの役目がうまくいっていないと、「熱い」とか「つらい」といった情報がうまく伝わらず、「なんとなくイライラが続く」「つらい気持ちから抜け出せない」といったように、切り替えがうまくいかなくなることにつながると考えられています。いずれにせよ、うつ病の症状のある人にはこのセロトニンの減少があるというのは、脳内のセロトニンを増やす薬でうつ病が改善することから想定されるようになりました。

では、セロトニンを減少させない方法はというと、生活習慣によってある程度の効果があります。セロトニンの原料となっているのは、肉類に含まれるトリプトファンというアミノ酸であることがわかっています。これについては後述します。

高齢者とともに若い女性にもうつ病が増えていることが問題にされています。これは過度なダイエットによる栄養不足が一因となっているケースもあると考えられます。肉類は脂質が多いので、ダイエットでは敬遠されがちです。野菜中心の食生活になると、肉類に含まれる、セロトニンの原料となるトリプトファンの摂取も少なくなるので、最終的にセロトニンも減って感情が落ち込んだまま回復しないといううつ症状が出てくるようになるのです。

感情の起伏には食生活の影響も大きいのだということを頭に入れておいていただきたいと思います。

 

次の記事「50~60代になると社交的になる女性、"枯れて"いく男性/「感情に振りまわされない人」の脳の使い方(13)」はこちら。

和田秀樹(わだ・ひでき) 

1960年、大阪府生まれ。精神科医。1985年、東京大学医学部卒業。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て独立。エグゼクティブ・カウンセリングを主とする「和田秀樹こころと体のクリニック」を設立し、院長に就任。国際医療福祉大学大学院教授、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)、川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(とくに自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。著書に『感情的にならない本』(新講社)ほか多数。

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『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』

(和田秀樹/KADOKAWA)

感情の不調は"脳"で治す! 医師にしてベストセラー作家が教える、誰でもできる習慣術。「笑い」を解放することが前頭葉を刺激する、「"こだわり"にこだわらない」がポイント、競輪競馬やゴルフ、マラソンの向上心は脳にいいなど、脳科学や心理学の知見によって得られた「効果のある」「実践的な方法」を一挙に紹介!

この記事は書籍 『「感情に振りまわされない人」の脳の使い方』からの抜粋です
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