血管を柔らかくする「リズム ニギニギ」。生活習慣病の専門医が実践している「血圧を下げる方法」

命に関わるさまざまな病気を引き起こす高血圧。国内に4300万人はいると推計される一方、対策が続かなかったり放置したりしている人は3100万人。そこで10人の名医が本気ですすめる、最新の高血圧を治す方法をご紹介。今回は工藤内科 院長の工藤孝文(くどう・たかふみ)先生が実践している「血圧を下げる方法」を教えてもらいました。

【前回】「どんな塩を摂るかが大切」漢方などを取り入れた治療に定評がある名医が実践する「血圧を下げる方法」

生活習慣病を専門とし患者の不調を改善

工藤孝文先生

「血圧の数値は体の声。早期に知って健康に」

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[食事]
こまめな減塩と水分補給で塩分調整

小さな減塩の積み重ねを大切にしています。例えば、ソースやしょうゆなどの調味料は「かける」のではなく少量を「つける」。うどんやそば、ラーメンのスープは半分残す、パンかご飯なら塩分ゼロのご飯を選ぶ、などです。味が足りないと思ったら、酸味や薬味、スパイスで補います。例えば、刺身は少量のつけしょうゆに、レモンやすだちをプラス。カレーは市販のルウは使わず、スパイスや香味野菜で作れば、香りも増します。

また、水を飲むことで体内の塩分濃度を調整しています。90分に1回飲む「アラーム健康法」で、1回につきコップ1杯で約200ml。10回に分けて1日2Lほどを摂っています。

[運動]
忙しいからこその「ながら運動法」

全身の筋肉の6~7割を占める下半身を中心に、体を動かしています。歩くときはメリハリを意識し、普通に歩く「メリ歩き」を3分、早歩きの「ハリ歩き」を3分。これを1セットとして5セット繰り返して、約30分のいい運動となっています。

意気込んで行うのではなく、テレビを見ながらスクワットをしたり、駅では階段を上ったり、日常生活の中で体を動かすことを意識しています。

[予防のポイント]
血圧の数値を目安に健康的な生活習慣を

血圧は自分次第でコントロールも改善も可能です。大切なのは、自分の血圧を知ること、放置しないこと、早期に手を打つこと。多くの日本人の高血圧は、食生活や運動不足、ストレス、肥満など、何かしら"身に覚えのある"生活習慣に原因があります。自己判断せず、早めに医師の診察を受け、生活習慣を見直すことが大切です。

血圧の数値は、自身の健康管理のデータであり、ときに体の中の声にならない悲鳴となることも。隠れ高血圧を見逃さないためにも、家庭血圧を毎日測り、体の声を受け取ってください。

《私も実践しています》

血管を柔らかくする「リズム ニギニギ」

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血管内の成分「NO」(※)を増産するストレッチです。片手を1秒に1回のペースでぐっと握って開き、無理のない力で60秒間繰り返します。反対の手と合わせて1セット、1日1~2セット行いましょう。血管の収縮と開放により血液がドッと流れて血管内皮細胞が刺激され、NOの産生が増えます。

※血管内の「血管内皮細胞」から分泌される一酸化窒素。硬くなった血管を拡張して柔軟にし、血圧を下げる機能を持つ。

取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/鈴木衣津子

 

<教えてくれた人>

工藤内科 院長 
工藤孝文(くどう・たかふみ)先生
福岡大学医学部卒業。専門は高血圧、糖尿病など生活習慣病ほか。テレビ出演、『ズボラな人でも高血圧がラクラク下がる!』(永岡書店)など著書も多数。YouTube「工藤孝文のかかりつけ医チャンネル」も人気。

この記事は『毎日が発見』2022年2月号に掲載の情報です。
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