最初の一歩目に足裏が強く痛む「足底腱膜炎」。主な要因と対処法は?

歩き始めに足裏に痛みを感じることはありませんか? もしかしたらその症状は、足底腱膜に繰り返し負荷がかかることで起こる足底腱膜炎かもしれません。そこで今回は、船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター部長の高橋謙二(たかはし・けんじ)先生に「足底腱膜炎」についてお聞きしました。

足底腱膜への過度な負担が原因
最初の一歩目に足裏が強く痛む

「足底腱膜炎」


主な要因
加齢による柔軟性と筋力の低下
足首の関節が固い
肥満

主な対処法
ストレッチや運動、インソールの使用などの理学療法
痛み止めの薬(消炎鎮痛剤)の服用
体外から衝撃波を当てる体外衝撃波治療

足底腱膜とは

踵骨(かかとの骨)から足の指へ扇状に広がる強靱な腱の膜。足底腱膜にかかる負荷には、「圧迫力」と「牽引力」がある。この負担がかかり過ぎることが足底腱膜炎の原因。

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圧迫力:足の裏にかかる荷重や足が着地したときの衝撃
牽引力:足を蹴りだすときのひっぱられる力2201_P090_01.jpg


朝起きてすぐの一歩目や歩き始めに足裏に痛みを感じるなどの症状があったら、「足底腱膜炎」かもしれません。

足は多くの骨が組み合わさり、縦横の"アーチ構造"を作っています。

地面に足が接地し荷重が加わった際に地面からの衝撃を吸収し、足や足関節、膝関節、腰などへの負担を軽減するクッションの役割を担っています。

足底腱膜はこのアーチを弓の弦のようにピンと張って下から支えています。

足底腱膜に繰り返し負荷がかかると、炎症や小さな断裂によって痛みをもたらし、足底腱膜炎を発症します。

足底腱膜に負荷がかかる要因は上図の通りです。

とくに、加齢によって足の筋力が低下すると重心が後ろに傾き、かかと部分に負荷がかかること、また足底腱膜自体の柔軟性や足裏の筋力がなくなり足底腱膜への牽引力が強くなることなどで、足底腱膜への負担が増します。

足底腱膜炎と似た症状に、偏平足、モートン病(※1)、脂肪織炎(※2)、足底線維腫(※3)、腰部脊柱管狭窄症などがあります。

※1 足の第3指と第4指の付け根の激痛としびれが典型的な症状。

※2 皮膚の下の脂肪組織に起きる炎症。原因は複数にわたる。

※3 足底腱膜の周囲に発生する良性腫瘍。足の裏にやや硬い固まりが触れる。

軽症には理学療法から体外衝撃波治療も有効

初期は、自然に治ることもありますが、損傷を繰り返すと、正常な組織が治りづらい組織(変性組織)へと置き換わり、難治性の足底腱膜炎に進行してしまいます。

慢性化すると踵骨に骨棘と呼ばれるトゲのような突起ができることもあります。

痛みが出たら初期のうちに対処することが大切です。

検査では、足底腱膜の痛みやふくらはぎの筋肉の硬さなどを触診で確認し、超音波やMRI、X線などの画像検査を行います。

症状が軽い場合は、ストレッチや筋力訓練、アーチサポートタイプのインソールの使用など理学療法を試します。

痛みを和らげるため、消炎鎮痛効果のある湿布や塗り薬などの外用薬を使用したり、ステロイド剤の局所注射をすることもあります。

理学療法や薬物療法などの保存療法を半年以上続けても症状が改善されない難治性には「体外衝撃波治療」が有効です。

体外で発生させた圧力波の一種である衝撃波を照射することで、痛みを取り除きます。

衝撃波が過剰な痛みを伝えている異常な神経線維を壊したり、細胞を活性化させて傷んだ足底腱膜の修復を促したりして、痛みを和らげると考えられています。

副作用や再発がほとんどなく、安全な治療法の一つとして注目されています。

こんな症状が出たら足底腱膜炎かも!?

□ 朝起きてすぐの一歩目や歩き始めなどに痛みを感じる
□ 炎症の起こっている部分を押すと、痛みを感じる
□ 長時間立っていると足の裏に痛みやしびれ感が生じる
□ 長く歩いたり走ったりすると足の裏が痛くなる
□ 足が地面に着く瞬間に足の裏に痛みがある(裸足で硬いフローリングなどは痛くて歩けない)
□ 症状が悪化すると、足底腱膜に痛みを伴う「しこり」 ができたり、安静にしていても足の裏が痛んだりする

体外衝撃波治療ってどんな治療?

●下図のように強いレベル(患者が耐えられるレベル)で衝撃波を患部に当てる(高齢者は比較的低いレベルでも、有効性が見られることがよくある)

2201_P091_01.jpg●治療時間は1回15分程度
●2週間から1カ月間隔で3回の治療を1セット(病院による)
●効果が表れるまで一定期間(約2カ月)かかる
●保険適用内

セルフケアで痛みを解消!

軽症の場合はストレッチや運動で足底腱膜にかかる負荷を軽減させることができる。予防にもつながる。

足底腱膜・ふくらはぎ・アキレス腱のストレッチ

(1)踏み台などの上に両足の前半分を乗せる(ひざは伸ばす)。次に、かかとの位置はそのままで痛みのある足だけで立つ

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(2)立っている足のひざを伸ばしたまま、かかとを最大限下げる

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(3)かかとを下げたまま、立っている足のひざを曲げる。ゆっくりとふくらはぎに力を入れて、かかとを上げ(1)に戻る

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※10回を1セットで1日3セット。各ステップ5秒ほどかけて行う。
※手すりや壁などで体を支えられる場所で行う。
※片足で難しい場合は両足で行う。最初は段差のないところで2cmくらいかかとを上げるだけでもOK。

足底腱膜やアキレス腱の柔軟性を高める運動

いすに座って床に広げたタオルを足指でつかんだり、たぐり寄せたりする。

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取材・文/古谷玲子(デコ) イラスト/片岡圭子

 

<教えてくれた人>

船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター部長
高橋謙二(たかはし・けんじ)先生
1992年徳島大学医学部卒業。医学博士。千葉大学整形外科入局。2018年より現職。ミュンヘン大学留学。日本整形外科学会専門医、日本臨床スポーツ医学会代議員。

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この記事は『毎日が発見』2022年1月号に掲載の情報です。

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