60代の7~8割が「夜間頻尿」!? 「足のむくみ」をとって軽減/頻尿・尿もれ・夜間頻尿の治し方

頻尿や尿もれは、基本的には命に関わる病気ではありませんが、普段の生活が送りにくくなるので、非常につらいものです。家族であっても話しにくく、気持ちがふさいでしまう人もいるでしょう。そこで長年、泌尿器のトラブルを治療してきた医師・高橋悟先生の著書『全国から患者が集まる泌尿器科医の 頻尿・尿もれ・夜間頻尿の治し方』(毎日が発見)より、自分でできる「頻尿」「尿失禁」「過活動膀胱」の改善方法をご紹介します。

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※画像はイメージです。

足のむくみをとって、夜間頻尿のリスクを減らす

就寝後、1回以上トイレのために起きることを夜間頻尿といい、年齢を重ねるとトイレに起きる回数は多くなります。

60代だと男女とも7~8割、80代だと8~9割の人がトイレで1回は起きるようになるので、めずらしい現象ではありません。

ただし、その回数が3回4回と増えていき、睡眠不足によって日常生活に影響が出てくるようなら、治療が必要と考えられます。

治療にはセルフケアが効果的で、いくつかの方法があります。

夜間頻尿に多いのが、夜の尿が増えている夜間多尿タイプです。

その原因として最近注目されているのが、足のむくみです。

本来は尿として排出されるはずの水分が下半身にたまってしまうことによって、夕方になるとふくらはぎやすねのあたりがパンパンになる現象です。

もし、夕方にそのような状態を感じるなら、夜のトイレはむくみによるものかもしれません。

むくんでいるかどうかよくわからない人は、夕方以降に左右どちらかのすねの骨の硬い部分を指で押してみてください。

指を離したときにあとが残っていたら、それはむくみです。

ふくらはぎは、筋ポンプ作用で血液を循環させているので「第2の心臓」といわれます。

ふくらはぎの機能が正常なら、血液は体の下から上へ重力に逆らって上半身へ行き、血液中に含まれる余分な水分は腎臓から膀胱に移動し、そして尿となって排出されます。

ふくらはぎの筋力不足が原因で血液がうまく循環しないと、ふくらはぎやすねの皮下や筋肉の間に水分がたまり、むくみになります。

これが夜、横になって体が水平になると、たまった水分が血管に戻り、膀胱に送られることで尿意を感じて夜間頻尿になるというわけです。

夕方の足のむくみを防げれば、夜のトイレは減るはずです。

むくみの解消にはいくつかの方法があります。

ただし、夜に尿量が増えるのは加齢だけのせいではなく、高血圧などの持病によることもあるため、一度専門医を受診し、どのような治療が適しているか相談してみるといいでしょう。

夜間頻尿を防ぐ足上げのやり方

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昼間、両足をクッションなどの上に置いて少し高くして15分間横になります。下半身にたまった水分が上半身に戻って、足のむくみが予防できます。足を上げる高さは、腰などに負担を感じない高さにします。

【Point】
そのまま少し寝てしまってもいいでしょう。ただし、夜の睡眠を妨げないよう20~30分程度に。

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知識を身につけ、「骨盤底筋トレーニング」「膀胱トレーニング」「足上げ寝」などのセルフケアを実践し、尿トラブルを防ぎましょう。

 

高橋 悟(たかはし・さとる)
1961年生まれ。日本大学医学部泌尿器科学系主任教授、日本大学医学部附属板橋病院病院長。群馬大学医学部卒業。虎の門病院、東京大学医学部泌尿器科助教授などを経て現職。2003年には、天皇陛下(現上皇さま)が入院された際の担当医師団も務める。悪性腫瘍から排尿障害、尿失禁まで、泌尿器に関わるあらゆる疾患を研究、診察している。

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全国から患者が集まる泌尿器科医の 頻尿・尿もれ・夜間頻尿の治し方

高橋 悟/発行:毎日が発見 発売:KADOKAWA)

長年、排尿障害や尿失禁を治療してきた名医が、治し方をやさしく解説します。尿のトラブルに悩み全国から訪れる患者に薦めているセルフケアをカラー写真で分かりやすく紹介。「頻尿」「尿失禁」「過活動膀胱」「排尿後尿滴下」などの症状の原因と治療法についても詳しく解説しています。

※この記事は『全国から患者が集まる泌尿器科医の 頻尿・尿もれ・夜間頻尿の治し方』(高橋悟/毎日が発見) からの抜粋です。
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