気になるぽっこりおなか...正体は内臓脂肪。メタボの診断で腹囲を測るのは、内臓脂肪がさまざまな病気の原因となるからです。内臓脂肪を減らして病気のリスクも減らす生活習慣をはじめませんか? そこで今回は、栗原クリニック東京・日本橋院長の栗原 毅(くりはら・たけし)先生に、「健康診断結果が基準値以内でも内臓脂肪に注意」についてお聞きしました。
歩くだけでも筋肉が増える
中性脂肪の量に加えて筋肉を維持する力も確認
内臓脂肪として蓄えられる中性脂肪の量は、ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTPの数値に注目を。
基準値内でも脂肪肝になり始めることがあるため、少し厳しいですが理想値を目指してほしいと栗原先生。
また、内臓脂肪を減らすには筋肉量を増やす必要がありますが、まずは自分の体が筋肉のもととなるたんぱく質を十分に摂れているか確認を。
「たんぱく質が十分に摂れているかは、アルブミンの数値に注目してください。筋肉を増やすには、アルブミン値が4・4必要です。それより低い場合は、肉や魚、卵などのたんぱく質をたくさん食べてください。積極的に摂ることで、アルブミン値は上昇します」
数値が理想値に届かない場合は、食習慣を見直してみてください。
健康診断の数値注意するのは4つ
特に注意するのは肝機能とたんぱく質の濃度をみる数値。
理想値を目指しましょう。
ALT(GPT)
●理想値 5~16IU/L
●基準値 10~30IU/L
主に肝臓に含まれる酵素。糖質の摂り過ぎで肝細胞に異常が生じると、最初に数値が上がります。基準値内でも20を超えたら脂肪肝の疑いが! 進行して肝硬変になると逆に数値は低くなります。
AST(GOT)
●理想値 5~16IU/L
●基準値 10~30IU/L
肝臓と筋肉に含まれる酵素。肝細胞が壊されたときに放出されるもので、血液検査ではALTとの比較で肝機能の状態をみます。ALTよりも高いとお酒の飲み過ぎ、低いと糖質の摂り過ぎが疑われます。
γ-GTP
●理想値 10~30IU/L(女性)
●基準値 ~30IU/L(女性)
肝臓で生成される胆汁(消化液)に含まれる酵素。肝臓や胆道(胆汁の通り道)に異常があると数値が上がります。アルコール性肝障害の目安とされますが、糖質の摂り過ぎやストレスでも上がります。
アルブミン
●理想値 5.0~5.3g/dL
●基準値 3.8~5.3g/dL
たんぱく質の一種で、体内でアミノ酸をさまざまな組織に運ぶ役割。アルブミン量が十分にあれば筋肉を維持できるとされています。たんぱく質の摂取量が足りているかに加え、健康状態の確認にも。
アルブミン値で健康状態が分かります。【理想は5.0~5.3】
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取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) イラスト/カトウミナエ