お米のどの部分に栄養が豊富に含まれているのかを知っていますか? 実は、精米時に捨てられる「ぬか層」です。「米ぬか」には食物繊維やビタミン・ミネラルがたくさん入っていて、整腸作用や美容効果、免疫力向上などが期待できるそうです。そこに注目した美人医師・石原新菜先生の著書『腸スッキリ! 米ぬか毒だしダイエット』(アスコム)より、米ぬかの栄養と効果、それを使った食生活の提案やアレンジレシピなどをご紹介します。
なぜ米ぬかが最強のダイエットサプリなのか?
米ぬかとは、玄米を白米にするときに出る粉のことです。
玄米の表面近くにある胚芽やぬか層、その下にある亜糊粉(あこふん)層などを削り取ったものが、米ぬかになります。
米ぬかの割合は、玄米1粒に対して10%程度で、残った部分が一般的に食べられている白米です。
玄米の栄養成分のうち約95%が、米ぬかにあるといわれています。
その米ぬかには、マルチ栄養といっても過言ではないほど、さまざまな栄養成分が含まれています。
これほど多種類の栄養価に富む食品はあまり例がありません。
その栄養素は、どれも体の不調を改善する効果やアンチエイジングなどの効果が期待でき、結果的に脂肪が燃えやすい体となるためダイエットに「最強」なのです。
米ぬかには食物繊維が多く含まれているため、摂取すると腸内環境が整って、便秘も解消されます。
免疫力が高まるほか、ダイエットや美肌効果にもつながります。
また、コレステロール値を下げて血行を促進したり、老廃物を排出する働きも活発になるので、体の代謝がアップしてやせやすい体に変化します。
米ぬかの栄養は大きく分けて食物繊維、ビタミンB群やE、そしてミネラルになり、含まれていないのはビタミンCだけといわれています。
さらにイノシトール、γ - オリザノール、フィチン酸、アラビノキシランなど多くの有効成分も含まれています。
これを煎って食事に加えるだけで、ダイエットや健康の効果も大きくなります。
つまり「最強のダイエットサプリ」といえるのです。
玄米のおよそ95%の栄養成分が米ぬかに!
【理由1】たっぷりの食物繊維によるデトックス効果がすごい
体内にたまったり滞っていたりする老廃物を、汗や尿、便などで体外に排出することをデトックスといいます。
デトックス効果で一番期待できるものは、腸内環境を整えること。
腸がきちんと整備されれば便通が改善されて代謝も高まり、むくみや冷えなども解消されるのです。
それにより、余分なものが体外に出ていきます。
体内に余分なものがなくなれば、脂肪もエネルギーとして燃えやすくなり、よりダイエット効果も高まります。
デトックスを促進するには、食物繊維の多い食品を多くとることです。
このとき、加熱に強い不溶性食物繊維を多く食べるようにします。
この条件を満たしているのが、米ぬかです。
さらに米ぬかに含まれているGABAは自律神経を整えるため、腸の活性化には必要不可欠です。
自律神経が乱れると消化吸収の働きが落ちてしまうため、デトックスをさまたげることにもなります。
【理由2】多種類の栄養成分による健康効果がすごい
米ぬかの健康効果は目を見張るものがあり、多種多様な栄養成分の効果で、健康診断で注意されがちな、さまざまな症状を改善することができます。
一番に期待できるのが、食物繊維によるダイエット効果です。
肥満を解消することにより、糖尿病や高血圧、心疾患、脳疾患などのリスクも減ってきます。
また強い抗酸化作用のあるフェルラ酸、γ - オリザノール、フィチン酸、植物ステロール、イノシトール、ビタミンEなどの効果でコレステロールや中性脂肪も低下し、生活習慣病の予防にも力を発揮します。
さらにストレスをやわらげる効果のあるGABAは、自律神経を整えて精神的な安定をもたらすだけでなく、興奮をしずめて血圧を下げる働きが期待できます。
ぜひ米ぬかパウダーを食事にプラスして、健康を手に入れましょう。
【理由3】ほぼすべての栄養成分を含む、完全食品
そもそも米ぬかのもととなる玄米は、食物繊維、ビタミンB1やビタミンE、ミネラル、食物繊維がふんだんに含まれていて、ほかに聞き慣れないγ - オリザノールやフィチン酸、フェルラ酸、GABA、イノシトールなどの有効成分も加わります。
これらのほとんどが米ぬかに多く存在するため、食べにくい玄米をがまんして食べるよりも米ぬかパウダーで摂取するほうが食べやすく、長続きします。
食事とともに継続摂取することは、ダイエット、免疫力アップ、生活習慣病やがん、認知症の予防、整腸作用、美肌効果など、健康を維持する上でも大切です。
煎った米ぬかパウダー
米ぬか100gあたりの栄養成分
エネルギー:412kcal/100g
たんぱく質:13.4g/100g
アミノ酸組織によるたんぱく質:10.7g/100g
炭水化物:48.8g/100g
食物繊維総量:20.5g/100g
カルシウム:35mg/100g
マグネシウム:850mg/100g
鉄:7.5mg/100g
ビタミンB1:3.12mg/100g
ナイアシン:34.6mg/100g
参考資料:日本食品標準成分表2015年度版(7訂)より
玄米の有効成分の約95%は米ぬかに含まれる!
玄米の有効成分
食物繊維/フィチン酸/フェルラ酸/γ-オリザノール/イノシトール/オリザブラン/GABA/ビタミンB群/ビタミンE/ナイアシン/鉄/ミネラル
【理由4】ふくらむ食物繊維で食欲を抑える
ダイエットで空腹をがまんすることほど、つらいものはありません。
つらいと感じた時点でストレスとなり、継続するのが難しくなってきます。
しかし煎った米ぬかを食事に加える方法なら、自然なダイエットが可能です。
米ぬかには不溶性の食物繊維が多く含まれていますが、これには、水を吸って量が増えるという特徴があります。
つまりダイエットで食事の量を減らしたいときに、米ぬかパウダーはうってつけの食品といえます。
あわせて大腸を刺激し、排便をスムーズにする利点も加わります。
【理由5】簡単!アレンジが自在にできる!
米ぬかパウダーは煎って香ばしくするので、ぬか本来の臭みを感じることはありません。
その香ばしく甘い風味は、きな粉にも似ています。
料理に加えても味を邪魔することなく、むしろコクを加えてくれるすぐれものです。
さらにパウダー状なので料理になじみやすく、とても食べやすいというのもうれしい特長です。
トッピングなどの場合は少し口に残りますが、慣れれば気になりません。
和、洋、中、エスニックとどんな料理にも相性がよく、ランチタイムなどで市販のお弁当やお惣菜にふりかけるのもおすすめです。
スイーツやおやつにまぶすと、意外にも甘味や塩味をやわらげて、やさしい味わいになります。
特に唐揚げやポテトチップスなどにふりかけると、米ぬかパウダーが油脂分を吸い取って、パリパリッとした口当たりを楽しめます。
煎った米ぬかパウダーは新しい調味料感覚で使えます!
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大さじ1杯で玄米2膳分の栄養がある「米ぬか」の秘密を全3章に渡って解説しています。40種以上のレシピ付き