尿が途切れたりすっきりしない...ついに痛みとともに石のようなものが出た!

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痛みと共に石のようなものが出ました。

58歳の男性です。いつからかは忘れてしまったのですが、排尿をする際に尿が途切れたり、すっきりしない感覚があったりで、歳をとったかと感じていました。ところが最近になり、時々お腹に痛みを感じるようになりました。先日は排尿の際に鋭い痛みが走り、黒っぽい数ミリの塊が尿と一緒に出てきました。これは、いわゆる膀胱結石なのでしょうか。

自然に石が出てくれた場合には、とくに治療の必要は無いのでしょうか。また、膀胱結石は再発の可能性が高い病気なのでしょうか。教えてください。

  

痛みを伴う尿路結石
水分多くとり予防

今回、排尿後に残尿感が残り、ある日痛みと共に尿から石が出てきたという内容のご相談です。もともとありました排尿時に尿が途切れたり、残尿感があるというのは、前立腺肥大の症状が出ているのかもしれません。しかし、確実に尿から石が出てきたということで、これは結石の可能性が非常に高いですので、今回は結石についてお話をしたいと思います。

結石というものは、体の中の様々な場所にでき、たとえば胆嚢にできる胆嚢結石、唾液腺にできる唾石というものまでありますが、尿路系にできるものを総称して尿路結石と呼びます。尿路結石は、尿中の色々な成分が析出し、腎臓の中に石が作られていきます。腎臓の中で結石ができた場合には腎結石と呼ぶのですが、それが何かの機会にこぼれ落ち、尿と一緒に流れていくことがあります。その際、腎臓と膀胱を繋いでいる尿管に石が詰まってしまうと、痛みや血尿を伴います。この状態を尿管結石と呼びます。

そのまま長い期間、石が詰まったままの状態でいると、尿が流れなくなってしまい、水腎症といって、腎臓が腫れてしまったり、腎臓の機能も悪くなったりすることもあります。尿路結石のほとんどがこの腎臓結石と尿管結石です。石が尿管を通り過ぎると膀胱に落ちていきますが、通常は膀胱に石が留まることはなく、そのまま尿道から流れ出て尿と一緒に排出されます。ところが、前立腺肥大症などで尿道の通りが悪かったりすると、なかなか出ていかず膀胱に留まり、そこで大きく成長してしまうこともあり、これを膀胱結石と呼びます。

今回のあなたのように、自然に出てしまえばそう問題はないのですが、体質的にできやすい人がいて、そのような場合には再発することがよくあります。結石は腹部超音波検査で調べることができますし、ある程度石が大きくなるとX線検査で写ることもあります。石が見つかった場合には、薬による治療や、石が大きな場合には衝撃波で砕いたりする治療もあります。一度、泌尿器科で相談をしてみてください。

結石を予防するために大切なことは、水分を多く取るということです。とにかく水分をたくさん取り、尿をうすめることで結晶が析出しないようにします。結石の成分にはさまざまなものがありますが、もっとも多いのがシュウ酸カルシウムで、脂肪を取りすぎないようにする、カルシウム、野菜、海草、きのこ類をしっかり取るなどの食習慣、生活習慣を注意することが大切です。

尿酸が高い方は、尿酸結石というものもありますので注意が必要です。この場合は尿酸値を下げる薬や尿をアルカリ化するような薬を飲むことで予防することができますので、参考にしてみてください。

  

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高谷 典秀 先生(たかや・のりひで)

医療法人社団同友会 理事長。順天堂大学循環器内科非常勤講師。日本人間ドック健診協会 理事。学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授。

著書に『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』(株式会社法研)など。

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この記事は『日本老友新聞』に掲載の情報です。

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