体温を上げて免疫力を高めましょう。「1日20gのしょうが」のススメ

新型コロナウイルスの流行により、感染予防対策とともに、免疫力という言葉をよく耳にするようになりました。では、どのように免疫力を高めるとよいのでしょう? そこで、イシハラクリニック副院長の石原新菜(いしはら・にいな)先生に「免疫力を高める3つの方法」を教えていただきました。今回は1つ目の方法で、石原先生も実践している「毎日しょうがを食べること」をご紹介します。

1日20gのしょうがで体温を上げて免疫力を強化

「免疫力を高めるには、体温を上げることが欠かせません」とは、内科医で温活提唱者である石原新菜先生。

実際、体温が上がると代謝や免疫力がアップすることが分かっています。

そこで、体温を上げる方法を石原先生に聞いてみたところ、「おすすめはしょうがを食べること。生でもいいし、酢や黒酢に漬けたものでも、蒸ししょうがでもかまいません。とにかく毎日、20g以上摂ることを目標にしてください」と教えてくれました。

しょうがに含まれる薬効成分にはジンゲロールとショウガオールがあり、体を温めるとともに白血球を刺激して免疫力を高めます。

「生のしょうがに含まれるのはジンゲロールが大半で、ショウガオールは少ししか含まれません。ところが、しょうがを蒸すと成分が変化して、ショウガオールが約10倍にも増えます。そのため蒸ししょうがは、体内の脂肪や糖質を効率よく燃やして、体を発熱させ、体温を上昇させるのです。しかも、蒸すと10分の1量になるので、小さじ1杯でも十分です」 

紅茶に入れたり、料理に少し加えたり、お好みの方法でどうぞ。

【免疫力を高める方法1】体を温める

●蒸ししょうが
しょうがを加熱して乾燥させると薬効成分が10倍に。長期保存も可能。

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作り方
① しょうがは皮付きのまま、たわしなどでよくこすり洗いし、スライサーで薄くスライスする(約1mmの厚さ)。

② 耐熱皿にしょうがを重ならないように並べ、オーブンで加熱する(80℃、1時間)。茶色に色づき、干からびた感じになっていれば完成。水分が残っていたら、加熱時間を10分刻みで延長して様子を見る。

③ 完成した蒸ししょうがは細かく刻んだり、フードプロセッサーで粉末にして清潔な保存容器へ。約3カ月間保存可能。

※オーブンに80℃設定がない場合は100℃または110℃の設定でも可

●酢しょうが
アミノ酸が豊富な黒酢で漬けて血流改善&代謝アップを!

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作り方
① しょうがは皮付きのまま、たわしなどでよくこすり洗いする。

② ①を薄切り、細切り、みじん切り、すりおろしなど、自分が使いやすい状態にカットする。

③ ②のしょうが全体がかぶるように黒酢(または米酢でも可)を加え、冷蔵庫で1日おく。好みで、はちみつを加えてもいい。

【こんなふうに使えます】
一緒に炒めて→野菜炒め、豚肉のしょうが焼きなどに
料理にかけて→湯豆腐、卵焼き、サラダなどに
ドリンクに混ぜて→酢しょうがりんごジュースに

石原新菜先生の"温めて"免疫を高める習慣

【しょうがは、1日100g】
石原先生は、1日約100gのしょうがを摂るそう。中でもしょうが紅茶は1日3杯ほど飲むのだとか。紅茶1杯に対して、蒸ししょうが(生のしょうがでも可)小さじ2分の1、黒砂糖を適量加えるだけと作り方も簡単。

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【一年中、腹巻を愛用】
365日、腹巻をしている石原先生。「夏は薄着なうえ、冷房や冷たいもので内臓が冷えやすくなります。とくに腸が冷えると自律神経が乱れて免疫力が下がるため、腹巻をしておなかを冷やさないようにしています」

【運動は欠かさない】
「熱の約4割は筋肉で作られます。ですから、運動をして筋肉を維持することが大切。朝はジョギング、クリニックへの通勤は自転車で。さらに診療後は、ジムで約1km泳ぎます。おかげで平熱は37℃前後あります」

【3分でも湯につかる】
たとえ3分でもお風呂につかるのが日課だそう。「1日1回、体を深部まで温めることは体温アップにとても重要なこと。汗がぽつぽつ出てきたら、体が温まったサイン。体がリラックスして、夜もよく眠れます」

【まとめ読み】特集「名医10人の免疫力を上げる生活習慣」記事リスト

取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) 撮影/米山典子 イラスト/鈴木衣津子

 

<教えてくれた人>
イシハラクリニック副院長
石原新菜(いしはら・にいな)先生
医師。帝京大学医学部卒業後、同大学病院で研修医を経て、父・石原結實のクリニックに勤務。主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたる。講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。

この記事は『毎日が発見』2020年9月号に掲載の情報です。

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