骨づくりにかかわっている栄養素はカルシウムだけではありません。骨を形成する基本的な三大栄養素のほか、弾力性を保つ栄養素、強度を高める栄養素によって構成されています。光伸メディカルクリニック院長 医学博士の中村光伸先生に骨づくりに必要な栄養素について教えていただきました。
骨密度にプラスして骨質の維持が肝心!
骨づくりに必要不可欠な栄養素がカルシウムなのは間違いありません。
しかも、この栄養素は筋肉の収縮や神経伝達のコントロール、ホルモンの分泌などにも関与しています。
だから、カルシウムが不足すると骨が弱くなるだけではなく、体のいたるところに不調が現れるリスクもはらんでいます。
ただ、骨を形成する基本的な栄養素はあと2つあります。
骨の土台づくりに深くかかわるコラーゲンと、カルシウムを定着させるビタミンDです。
この基本三大栄養素が骨の根幹を作っています。
近年、骨粗鬆症によって骨密度が注目されるようになりました。
しかし、丈夫な骨には強度という骨量だけでなく、骨質という考え方も大切です。
質のいい骨には、弾力性が欠かせません。
なぜなら骨にはあらゆる方向から力が加わるからです。
単に硬いだけでは、その力に柔軟に対応できません。
「骨には、『しなやかさ』も必要です。それにはコラーゲンなどのたんぱく質は欠かせません。肉や魚、卵、豆から摂ってほしい。でも、日本人はたんぱく質不足です」
骨質と骨量を高めるために、それらにかかわる栄養素を総合的に摂ることを心がけたいですね。
健康な骨には栄養バランスがとても大切です
取材・文/木之下潤 撮影/齋藤ジン イラスト/角 裕美 モデル/永谷佳奈