「ぐるぐる」「ふわふわ」と起こるめまい。決して特別な症状ではなく、誰にでも起こり得るものです。めまいの原因を理解して、自分の症状に合った体操を行うことで改善することができます。横浜市立みなと赤十字病院 めまい・平衡神経科部長の新井基洋(あらい・もとひろ)先生に、小脳を鍛える目の体操を教えていただきました。自分のタイプに合った体操を、記憶に残るよう「声を出して繰り返し」行ってみてください。
【目の体操】速いヨコ
横書きの本や書類が読みづらいなど、「目線を急に左右に動かしたときのめまいやふらつき」を改善します
こんな症状の人:震度8くらいの激しいめまいが1回だけ起こり、ふらつきが残るタイプ/めまいではなく、ふらつきがあり、足が地についていない感じがするタイプ
行う目安:1回10往復
①体操を始めるポーズをとる
両腕を肩幅の広さで前に出し、親指を立てます。目線はまっすぐ前を見ます。
爪に印をつける
親指の爪が目で追えるように、シールやマニキュアで印をつける。
②目線を右の親指の爪へ
顔は前を向いたまま、目線だけを動かして右の親指の爪を見ながら「いち」と大きな声で数えます。
③目線を左の親指の爪へ
目線だけを動かして左の親指の爪を見て「に」と声に出して数えます。②と③を繰り返し行います。
【NGポーズ】
両腕は肩幅より広げ過ぎないようにします。狭過ぎるのもよくありません。
めまい体操の回数の目安と覚えておきたい注意点
- 体操は朝の起床時と夕方から夜にかけて、1日最低2回は行います。
- 嘔吐などを避けるため、食前に行いましょう。
- 首の具合が悪い人は無理に行うのは避けます。
- 途中でめまいが起きたら休憩し、症状が軽減したら再開します。
- 激しいめまいや頭痛、しびれが出たら体操を中止して受診します。
【まとめ読み】特集「自分で治す『めまい』『ふらつき』」記事リスト
取材・文/松澤ゆかり 撮影/齋藤ジン イラスト/ノグチ・ユミコ モデル/永谷佳奈