腰痛は「心配のない腰痛」と「けがや病気が原因の腰痛」に分けられます。医学博士である松平 浩(まつだいら・こう)先生に、腰痛改善体操について教えていただきました。
【体幹を強くする筋トレ】腕・足上げ体操
腰に負担をかけないように良い姿勢を保つため、体の深部にある筋肉を鍛えます。
[用意するもの]
・マット
[行う目安]
・3日に1回行う
・10秒間保つ×左右3回ずつ×3セット
①床に手とひざをつく
床に両手とひざをつき、右足を伸ばしながら床と水平になるまで上げます。上体と左足の太ももは直角に。
②上げた足と反対の手を上げる
右足を伸ばしたまま左手を水平に上げます。腹横筋と多裂筋を意識し、反対側も同じように行います。
【腹横筋・多裂筋とは】
腹横筋はおなかの深層の筋肉で、上体を安定させます。多裂筋は背骨を支えている筋肉。両方の筋肉を鍛えると腰痛の予防、改善ができます。
体操の前に行って!
【基本形】これだけ体操
後ろにずれた髄核を椎間板の中央に押し戻します。
腰痛の予防と治療の両方に効果があります。
[行う目安]
・毎日行う
・予防として:押し込んだまま3秒間保つ×1~2回
・治療として:押し込んだまま3秒間保つ×10回(徐々に手で腰を押す力を強くする)
①両手を後ろで組み準備する
体操を始める前に、まず足を肩幅より少し広く開きます。手をお尻の近くで手のひらを上に向けて組み、胸を張って肩甲骨を寄せます
②骨盤を前に押す
両手をお尻に当ててゆっくり息を吐きながら骨盤を前に押します。足はつま先に重心をかけて、かかとは浮かないように。
後ろから見たとき
できるだけ両手を近づけて、両ひじを内側に寄せます。手首に近い部分で骨盤を押し込みます。
【これはNG】
【腰回りのストレッチ】これだけ体操(横バージョン)
足を組んだり片手で荷物を持ったときなどに生じる体の左右のゆがみを整えて腰の負担を軽減。
[行う目安]
・3日に1回行う
・右か左で曲げにくい側のみ5秒間保つ×5回(徐々に手で腰を押す力を強くする)
・最後に「これだけ体操(基本形・上記参照))」×1回
①片方の手を壁につく
滑りにくい場所で壁から一歩離れて立ち、肩の高さでひじから手のひらまでを水平に壁に当てます。
②「く」の字の姿勢になる
もう一方の手は腰に当て、息を吐きながら骨盤を横へ押し込み、「く」の字の姿勢で5秒間保ちます。
取材・文/松澤ゆかり イラスト/やまだやすこ モデル/永谷佳奈