腰痛は「心配のない腰痛」と「けがや病気が原因の腰痛」に分けられます。医学博士である松平 浩(まつだいら・こう)先生に、腰痛改善体操について教えていただきました。
【股関節周りのストレッチ】太もも裏伸ばし体操
太ももの裏側の筋肉を伸ばし、骨盤を正しい位置に収まりやすくして、腰痛を予防します。
[行う目安]
・1日1回行う
・10秒間保つ×左右1回ずつ(慣れたら20~30秒間保つ)
①いすに座り片足を伸ばす
胸を張っていすに浅く座り、両手を太もものつけ根に置きます。片足を伸ばしてかかとを床につけます。
②上体を前に倒しつま先を上に
息を吐きながら上体を前に倒します。伸ばしている足のかかとを床につけ、直角に曲げて10秒間保ちます。反対の足も同じように行います。
体操の前に行って!
【基本形】これだけ体操
後ろにずれた髄核を椎間板の中央に押し戻します。
腰痛の予防と治療の両方に効果があります。
[行う目安]
・毎日行う
・予防として:押し込んだまま3秒間保つ×1~2回
・治療として:押し込んだまま3秒間保つ×10回(徐々に手で腰を押す力を強くする)
①両手を後ろで組み準備する
体操を始める前に、まず足を肩幅より少し広く開きます。手をお尻の近くで手のひらを上に向けて組み、胸を張って肩甲骨を寄せます
②骨盤を前に押す
両手をお尻に当ててゆっくり息を吐きながら骨盤を前に押します。足はつま先に重心をかけて、かかとは浮かないように。
後ろから見たとき
できるだけ両手を近づけて、両ひじを内側に寄せます。手首に近い部分で骨盤を押し込みます。
【これはNG】
【腰回りのストレッチ】これだけ体操(横バージョン)
足を組んだり片手で荷物を持ったときなどに生じる体の左右のゆがみを整えて腰の負担を軽減。
[行う目安]
・3日に1回行う
・右か左で曲げにくい側のみ5秒間保つ×5回(徐々に手で腰を押す力を強くする)
・最後に「これだけ体操(基本形・上記参照))」×1回
①片方の手を壁につく
滑りにくい場所で壁から一歩離れて立ち、肩の高さでひじから手のひらまでを水平に壁に当てます。
②「く」の字の姿勢になる
もう一方の手は腰に当て、息を吐きながら骨盤を横へ押し込み、「く」の字の姿勢で5秒間保ちます。
取材・文/松澤ゆかり イラスト/やまだやすこ モデル/永谷佳奈