スマホなどの「目の酷使」が原因? 増加する「角膜上皮障害」をご存じですか?

パソコンやスマホによる目の酷使やエアコンなどによる乾燥によるドライアイが原因で起こる「角膜上皮障害」。ドライアイ患者は10年前に比べて増加しています。今回は、東邦大学医療センター 大森病院眼科教授である堀 裕一(ほり・ゆういち)先生に「角膜上皮障害」の予防や対策について伺いました。pixta_22731864_S.jpg

ドライアイやアレルギーで角膜が傷ついて目の不調に

目の角膜には、レンズとしてモノを見る役割と、異物が入ってこないようにバリアをする役割があります。

ライオンの調査では、角膜の最も外側にある角膜上皮に傷などの障害のあるドライアイ患者が、10年前に比べて増加していると分かりました。

「増加の背景には、パソコンやスマートフォンの利用時間が増えたことで、瞬きの回数が減少してドライアイが進み、角膜に傷が付きやすくなっていることが考えられます。また、エアコンの使用で湿度が低くなり、目が乾きやすくなっていることも一因です」と、堀裕一先生。

では、角膜上皮障害の原因となるドライアイの予防には、どんな対策が有効なのでしょう?

「軽度ならば、市販の目薬で十分。ただし、用量・用法を守ってください。多くの目薬には防腐剤も入っているので、過剰にさすことで角膜上皮に障害を起こすこともあります。角膜のためには、防腐剤無添加の目薬を選ぶとより良いでしょう」(堀先生)。

目薬と併せて、市販のホットアイマスクで目を温めること、女性の場合はアイメイクをしっかり落とすことも有効です。

セルフケアを続けても上記の"目の健康チェック"で気になる症状がある人は眼科を受診します。

「角膜上皮を傷つける原因はドライアイのほか、花粉症などのアレルギー、コンタクト、まぶたの裏の異物などさまざまです。治療は細胞を修復するヒアルロン酸の点眼薬で行います。根本原因を知り、傷を治すことが大切です」(堀先生)。

加齢によって目は乾きやすくなります。

不快な症状の裏には、角膜上皮障害などの目の病気がひそんでいる可能性がありますので、早めに受診しましょう。

こんなニュースで話題になりました

2019年9月、ライオン株式会社は眼科専門医を対象に「角膜上皮障害」の診療実態調査を実施。6割以上の眼科医が「角膜上皮障害を伴うドライアイ患者」が、10年前に比べて増えていると認識していると分かりました。

多くの人が目を酷使している実態がうかがえます。

角膜上皮障害とは...

ドライアイ(涙の量が減って目が乾燥した状態)やアレルギーなどのさまざまな原因により、黒目部分の最も表面側にある角膜が傷ついて、目に痛みなどが生じる病気。

眼科専門医に聞きました

角膜上皮障害を伴うドライアイの患者さんは、10年前に比べて増えている印象はありますか?

2003p098_01.jpg(SA、n=101)※「ライオン・スマホ時代の角膜上皮障害実態調査」より。眼科専門医101名を対象に、2019年9月25日~30日に実施

目の健康チェック!気になる症状、ありませんか?

□ 寝ても疲れ目が解消しない
朝から目がかすむ
光をまぶしく感じやすくなった
常に目が乾いて、ショボショボする
目が重たい感じがする
目が痛くなることがある
目を10秒程度あけていられない
ピントが合いにくい

当てはまる項目が
0~2個→いまのところ大丈夫
3~5個→要注意。眼科を受診しましょう
6個以上→危険!いますぐ眼科を受診

取材・文/笑(寳田真由美)

知っておきたい!「ドライアイ」に関する記事はこちら

 

東邦大学医療センター大森病院眼科教授

堀裕一(ほり・ゆういち)先生

大阪大学医学部卒業。米国ハーバード大スケペンス眼研究所研究員、大阪大学医学部眼科助手(助教)、東邦大学医療センター佐倉病院眼科准教授などを経て、2014年より現職。

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この記事は『毎日が発見』2020年3月号に掲載の情報です。

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