「よく眠れない」といったことは、加齢に伴う生体リズムの乱れなどで起こりがち。
でも、単に寝つきが悪いのではなく、「脚の不快感」で目が覚めてしまうことはありませんか?
今回は、東邦大学呼吸器内科准教授で睡眠時呼吸障害センター長の髙井雄二郎先生に「むずむず脚症候群」を予防する方法について教えていただきました。
むずむず脚症候群が発症したら適切な治療を受けることが大切ですが、薬に頼り過ぎることにも注意が必要です。
むずむず脚症候群を発症しないに越したことはありませんから、二次性むずむず脚症候群のリスクが高い病気の人、あるいは発症と関連が強い病気の人は注意が必要です。
「予防は、日々の健康管理、すなわち運動習慣を持ち、バランスのよい食事を心がけることに尽きます」と髙井先生。
運動不足や偏った食事が、生活習慣病などを後押しすることは一般的によく知られています。
生活習慣病は、早期段階では無症状のことが多く放置している人もいるでしょう。
結果として、 心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるのですが、一方で、むずむず脚症候群の引き金にもなるのです。
自治体などの健康診断で異常値が生じたら放置しないこと。
そして、病気予防のための食生活の見直しも日頃から心がけるようにしましょう。
「毎日のウォーキングなど、継続できる下肢トレーニングは予防の一助になります。健康を維持することが最大の予防ともいえます」と髙井先生は話します。
日中は元気に活動して夜はぐ っすり眠る。
そんな理想的な生活を目標にしてみてはいかがでしょうか。
予防と悪化防止のための生活習慣
鉄分を補給しましょう
鉄欠乏性貧血は原因の一つ。
鉄剤の服用のほか、レバーなど鉄分の多い食材も意識しましょう。
カフェイン・喫煙 アルコールは控えて
いずれの嗜好品もむずむず脚症候群の引き金になります。
症状がある人は摂取を控えるか、やめましょう。
原因となる基礎疾患の治療を
鉄欠乏性貧血や糖尿病などの人は要注意。
原因となる病気は放置しないで治療を受けることが大切。
睡眠環境を見直しましょう
毎晩ぐっすり眠っていますか?
寝室の温度や湿度、照明や音、寝具など、眠りやすい環境を整えることも重要。
そのほかにも
就寝前や日中の適度な運動も予防に役立ちます。
ただし、激しい運動は逆効果になるのでご注意を。
また、入浴後のストレッチやマッサージも有効です。
いずれにしても、主治医に相談した上で行うようにしましょう。