通院しても、薬を飲んでも、なかなか完治しない病気...それはもしかしたら、そもそも「西洋医学の治療」では治すことが難しいのかもしれません。そこで、中医学(中国伝統医学)を取り入れ、数多くの難病治療に当たってきた医師・岡部哲郎さんの著書『西洋医学の限界 なぜ、あなたの病気は治らないのか』から、中医学による「代替医療」という考え方について、連載形式で紹介します。
胃潰瘍の治療は中医学の独壇場
胃潰瘍は中医学に任せろ
ストレスがおもな発症原因になっている病気も、中医学は得意にしています。
とくに胃潰瘍や十二指腸潰瘍などは、西洋医学には不向きのジャンル。
はっきり申し上げて、中医学の独断場です。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、ストレスで血管がキュッと締まり、胃腸の細胞が酸欠を起こすことによって発症します。
ストレスを抱えると、緊張して全身が縮こまりますよね。
もちろん、筋肉だけでなく血管も収縮する。
すると、血液がスムーズに流れなくなり、酸素がその先の組織に届きづらくなる。
結果、細胞が酸欠状態になって死滅し、出血する。
これが、漢方医学における胃潰瘍や十二指腸潰瘍の起こる仕組みです。
治療法は、なにはともあれ血液の流れを良くすることであり、まずは縮こまった血管を広げてあげることが重要になります。
血管を広げること自体は、西洋医学の薬を使っても、漢方薬を使っても行えますので、両者に大きな差はありません。
が、問題はその先にあります。
西洋医学の薬では不十分
西洋医学では、麻酔をかけることによって胃壁の平滑筋を麻痺(弛緩)させ、血管を広げる治療法を採用します。
でも、それだけでは不十分。
血管を広げるだけで、血流を良くすることまではできないからです。
ここが西洋医学の限界。
薬によって胃潰瘍や十二指腸潰瘍を治すことはできません。
一方、漢方薬ならば血管を広げることだけにとどまらず、血液の流れをスピードアップさせることができます。
適切な漢方薬を服用することによって、血管が広がり、血流が良くなり、胃腸に十分な酸素が行き届くようになり、潰瘍がみるみるうちに小さくなり、痛みを感じなくなっていくのです。
西洋医学で使う麻酔は、言うなれば麻薬で、受けるダメージは大きい。
漢方薬ならば、きちんと治るうえに副作用もほとんどない。
どちらを選ぶかについて、あえて言及する必要はないでしょう。
中医学に難病克服の可能性が見える『西洋医学の限界』記事リストはこちら!
医師が病気を治せない15の理由や中医学に頼るべき8つの病気など、西洋医学と中医学の違いが徹底解説されています