高齢者や加齢、老化によって起こると思いがちな尿もれ。ですが、私たちアラフィフ世代のみならず、実際は、20代でも5割以上の経験者がいるのだそうです。そんな中、P&Gジャパンが、この秋に新たな尿もれのケア製品を発表。しかも尿もれを「UI」(Urinary Incontinenceの略語で「尿失禁(尿もれ)」の意味)と呼ぶ、新たな考え方も提示されました。吸水ケア新ブランド「ウィスパー」の発表会をレポートします。
10月17日、都内で開かれた発表会には、UI経験者であり、「ウィスパー」アンバサダーの松本志のぶさん、虻川美穂子さん、上脇結友さん、また未経験者代表として菊地亜美さんがゲストに登場。製品の性能やデザインについて、トークや紙芝居、実演を交えながら紹介しました。
吸水ケアの「ウィスパー」が発表した新製品
今回、新たに発売されるのは、吸水ケアの新ブランド「ウィスパー」から発売される「ウィスパーうすさら」です。
製品ラインアップは、吸水ナプキン「ウィスパー うすさら吸水」、吸水パッド「うすさら安心」、パンツタイプ「ウィスパーうすさらシルキー」と、おりものにも使える、吸水ライナー「ウィスパー1枚2役Wガード」の4タイプとなり、2019年10月下旬から順次、全国およびECサイトで発売されるとのことでした。
ウィスパーと聞くと「生理用品?」と思う方も多いと思います。
実はP&Gは2年ほど前から、この「ウィスパー」について、生理用品から吸水ケアブランドへと舵を切っており、今回初めてとなる製品のお披露目となりました。
実は20代でも2人に1人以上がUI経験者
先に述べましたが「尿もれ(UI)」と聞くと、高齢者や加齢、また妊娠・出産の経験によって起こると思われがちです。
ところが、P&Gが2019年7月に20~60代のおよそ4万人を対象に行った調査では、世代や妊娠・出産の経験に関係なく半数以上の女性がUIを経験しているという結果が出ました。
中でも驚いたのは20代の調査結果。
2人に1人以上の「57.1%」の人が、このUIを経験しているという結果が出たのです。
ゲストとして登壇した亀田総合病院ウロギネセンター長の野村昌良先生を交えたトークでは、調査結果をもにUIを引き起こす要因やその予防策が紹介されました。
「尿もれに関する相談が最近特に増えている」という野村先生
「そもそも尿もれは、骨盤底筋の脆弱性によりおこるもの。加齢もそうですが、激しいスポーツや、肥満、座りっぱなしなどが原因になることもあります。尿もれになったら、専用ケア商品を使って対策をすることはもちろん、改善・予防策として、トレーニングで日々、骨盤底筋を鍛えることも大事です」(野村先生)。
「30代の頃などは、ピラティスやトレーニンジムに通っていて、どのトレーナーさんからも必ずといっていいほど"骨盤底筋を意識してくださいね"と言われていたんです。"歳をとった時に、尿もれ対策に役立ちますから"と。あの時の言葉がいまになって、このことだったのか!と繋がった気がしています」(松本志のぶさん)。
そんな「誰にでも起こりうるもの」という結果とは反対に、UIに対するケアへの意識や関心が低いのも実情です。
同調査では、経験者を対象に「どのようなケアを行っているか」というアンケートも実施したところ、「専用のケア商品を使用している」と答えた割合はおよそ2割しかいないという結果に。まだまだUIに関する知識やケア商品の浸透率が低いこともうかがえます。
虻川さんが「紙芝居」で実体験を紹介!
発表会では、ブランドアンバサダーの3名もそれぞれ妊娠・出産のタイミングでUIを経験したことを紹介。虻川さんはその体験談を「私鼻炎持ちなんですよ。信号待ちをしていた時にね、ふとくしゃみをしたらね、あらっと。出ちゃった...とね」とユーモアを入れて紙芝居で分かりやすく紹介してくれました。
「実際、経験したときはショックが大きかった。私が!?って。だからこそ、旦那や周りにもあまり相談できずにいたんです。でも"誰にでも起こりうること"と知って、ちょっと安心しました」(虻川さん)
紙芝居形式で自身の体験を紹介した虻川さん
デリケートな悩みだからこそ、周りに相談しづらいというイメージのあるUI。P&Gは、そのイメージの払拭を課題としているとのことでした。
新製品の性能とデザインは?
"気づかれない"ためのうすさ、"安心感"のためのもれやにおいを防ぐ機能、"女性らしさ"を体現する高級感のあるデザインを追及したという今回の新製品。
性能の実演では、菊池さんが液体の入った3つの風船を割り、通常の3倍の量である45mlの液体をシートが吸収する様子を披露。また吸収したシートに触れてもサラッとした肌触りで、シート自体をねじっても溢れないことも解説しました。
確かにパッケージのデザインも「吸水ケア製品」とは思わせない上品な仕上がりで、手に取りやすいものになっています。
デザインがこれまでとは異なりスタイリッシュなのも特長的
発表会に参加されていた40代の一般女性は「"尿もれ"というフレーズに抵抗感があったのですが、薄毛を"AGA"と呼ばれているように"UI"という言葉の認知や知識が広まれば、私たちもケアがしやすくなる気がします。今日発表された『ウィスパーうすさら』のような、かわいいパッケージの製品が増えれば、手に取りやすくなってうれしい」と話してくれました。
世代に関わらず、実は多くの女性が悩んでいるUI。
製品の普及とともに、誰もが起こりうることだという認識と、正しいケアの認知度を深めて、多くの女性にとってより過ごしやすい世の中になっていくことを期待したいですね。
尿もれを「UI」とし、スタイリッシュな提示をすることで、新たな流れを作り出すかもしれません
取材・文/岡井祥子