年を重ねると女性は男性より「人付き合い」が活発に!?「男性ホルモン」のスゴさ

年齢を重ねるとだんだん気になるのが、親や自分に訪れる「認知症」の可能性。ですが、ボケてしまうことよりもっと怖いのは、「老化に伴ううつ病」だと老年精神科医の和田秀樹医師は言います。そこで、和田医師の著書『「脳が老化」する前に知っておきたいこと』(青春出版社)から、老いを迎える前に知っておきたい「心の老化」と「老い支度」について連載形式でお届けします。

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男性ホルモンの状態でわかる老化のサイン

アルツハイマー型の脳の変化のあるなしにかかわらず人間をボケたようにするのは、「消極的」になることです。

何かをしようという気持ちがいつのまにか衰えていったりと、だれでも意欲は年齢とともに減退します。だから、趣味でも何でもいいので、生活の中で何かに積極的になるものを見つけることが大切です。

なかには、年齢とともに積極的になる方もいます。

それは女性によく見られますが、60歳、70歳になって、気の合う友達と温泉旅行に行く機会が増えたります。これはとてもいいことです。

ものごとに積極的に取り組もうとする意欲を左右するものの一つに、男性ホルモンがあります。意外に知られていないことですが、男性は40代から男性ホルモンが目立って減り始めます。おそらく現代の40代の夫婦は、半分強、もしかしたら7割くらいが「セックスレス」ではないかと思われます。

その時期に、男性の場合、男性ホルモンが減ると同時に「もの忘れ」が増え、記憶力が落ち始めていきます。「心の老化」の一つの表れとして、男性ホルモンの減少と、その減少の兆候を見ることで確認することができます。

それをチェックする「老化度テスト」を下に紹介します。これはおもに「40代以降の男性の老化度」を見るためにつくったテストですが、女性の方も参考に試してみてください。

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このテストでチェックが「3~5個」ついたら、男性ホルモンなど、おもに男性の若さを保つ働きが低下し始めている、というサインです。「6個以上」のチェックがついたら、「男性更年期障害」の可能性があります。食生活、ホルモンバランス、運動など、具体的対策について、すぐにでも医師に相談したほうがいいでしょう。

女性も、「3個以上」のチェックがついたら、やはり、日々の生活の見直しを今日から考えるべきでしょう。

女性は年齢とともに男性ホルモンが増える

実は女性は、男性とは逆に「年齢とともに男性ホルモンが増えてくる」ということが、最近わかってきました。

以前は、この現象は「女性ホルモンの分泌が減るために相対的に男性ホルモンが増えたように見えるのだろう」と考えられていました。

ところが、東日本大震災の被災者などの後遺症を調査する中で、「ホルモンがどのように増減しているか」というテーマを研究した人がいて、その結果、「女性は40代、50代、60代と、男性ホルモンが増えている」ということがわかったのです。

これが、「女性は、男性とは逆に、年齢が高くなるほど『人づきあい』に積極的になる」という現象につながっているようです。

60代、70代の男性は、「友達と温泉旅行に行きたい」とはあまり思わなくなり、女性は、まったく逆の傾向を示すわけです。

人づきあいもよくなり、意欲もモリモリと増加するのです。

人づきあいが億劫に感じられてきたら......

面白い実験があります。2013年に英国の『ネイチャー』誌で発表された実験ですが、「女性に、男性ホルモンの『ジェル』を塗布(とふ)して、その影響を見る」という実験が行われました。

女性に男性ホルモンが増えると、被験者のアンケートの記述に、「寄付をしたい」とか、「災害救援ボランティアをしたい」という世の中の弱者に対して積極的に働きかけるという効果が影響として表れたというのです。

男性ホルモンが多いことが、「弱者、困っている人を助けたい」という積極的な意欲につながるというようです。

男性ホルモンが減ると、いろいろな意欲が落ちるので、多方面に影響が出ます。性欲だけでなく、仕事を続けている人なら、仕事のうえでの意欲が減退します。出世欲などはだんだん消えていくのです。

異性に興味がなくなるだけでなく、「人間に興味がなくなる」というのは困りものです。近所づきあいも減るでしょう。

40代を過ぎて人づきあいが億劫(おっくう)になってきたら、それは男性ホルモン減少の影響かもしれません。

心のボケさえ防げば人生は楽しめる!「脳が老化する前に知っておきたいこと」記事リストはこちら!

81kwzHhD-4L.jpg序章から4章にわたって老化と心の関係、対処法について解説。幸せに年を重ねる方法論が分かります

 

和田秀樹(老年精神科医)

1960年、大阪府生まれ。国際医療福祉大学心理学科教授、川崎幸病院精神科顧問、和田秀樹こころと体のクリニック院長。東京大学医学部卒業後、東京大学附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー等を経て現職。老年精神科医として、30年以上にわたり高齢者医療の現場に携わる。

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『「脳が老化」する前に知っておきたいこと』

(和田秀樹/青春出版社)

年を取れば、もの忘れはあって当然――30年以上にわたり高齢者医療の現場にかかわる老年精神科医がまとめた、最後まで人生を楽しむ「心の老化」対策本。親や自分のボケを心配するよりも、もっと大切な「心の老い支度」を始めませんか?

※この記事は『「脳が老化」する前に知っておきたいこと』(和田秀樹/青春出版社)からの抜粋です。
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