こんにちは。中島めめです。
今回は「修学旅行の思い出」についてのお話です。
前回のエピソード:超能力なの!?散らかりすぎた家で特殊能力が発達した母
この春長女が6年生になり、「今年は修学旅行があるね」という話になりました。ついこの間入学したと思ったらもう6年生なんて、時が経つのは早いなあとつくづく思います。
長女から「お母さんの修学旅行の時はどうだった?」と聞かれ、はるか昔の記憶を辿っているうちに少しずつ思い出して来ました。
一番覚えているのは、家族にお土産を買うため友達と土産店を回った時のことです。
決まったお小遣いの中からやりくりするためすごく悩んで、母や妹たちには小物入れや着物を着た女の子のしおり、父には青いお財布を買いました。
帰ってみんなに渡す時の事を考えてとてもワクワクしたのを覚えています。
そしてそんな修学旅行から月日が流れ、私が20代の頃のある日、父が出かける時に忘れ物をしたことに母が気がつきました。財布を置いていったというのです。お金を使う用事はないからいいか、という母のそばにある財布を見て私はびっくりしました。
父の財布はよれよれでかなり使い込まれていたのです。手に取ってみると財布は布製ですが薄っぺらくてまるで紙でできているようでした。色あせた水色で、カード入れのところに名刺やメモなどがいっぱい詰まっていて、四隅が擦り切れてかなりくたびれていました。
最初それを見たとき、父はなぜこんな財布をずっと使っているんだろう、と思いました。
物持ちのいい父ですが、さすがにこれは人前で出すのも恥ずかしいんじゃないかなと思うほどボロボロだったのです。
でも、財布を開いて見ているうちに、次第にに思い出してきました。褪せてしまってすっかり色が変わっているけどこの財布は元は濃い青で、私が修学旅行の時に父に買ってきたお土産だ、という事を。父の財布を選ぶときにカード入れや小銭入れがあるのがいいとか、中身を重視して決めたので、財布を開いて見ているうちに自分が選んだものだと思い出したのでした。
母に「お父さんて私が修学旅行で買ってきた財布をずっと使ってたの?」と聞くと、そうだよ、と母は言いました。「何年か経ってだいぶ財布が傷んできたようだったから、新しいのを買ってお父さんの机に置いといたんだけど全然使わないからさ、一回聞いてみたらこれでいいんだ、だって。よっぽどうれしかったんじゃないの?」
それを聞いてちょっとびっくりしました。父は感情を表に出さないタイプで、何を考えているかいまいち分かりにくく、子供の頃の私にとっては本当に掴みどころのない人でした。
あまり喋らない人なのですが、たまに話すときはからかうような事を言うくらいで、誕生日になにかプレゼントしても素直に喜ぶのではなく何か一言皮肉っぽい事を言ったりしてこちらがカチンときたり、たしかお財布を渡した時もそんな感じでそれほど喜んでくれているようには見えなかったので、本当に意外でした。
でも、こんなによれよれになっても新しいのにかえずにずっと使っていてくれたんだなと思ったら、とても嬉しい気持ちになりました。同時に、父って損な性分だなあ、とも思いましたが...
そんな話を子どもたちにしたら、長女は修学旅行でお土産を探すのがとても楽しみになったようで、今からワクワクしています。
長女にも、大人になってから懐かしく思い出せるような楽しい経験ができるといいな、と思う私なのでした。
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