年々増加傾向に?知っておきたい「胃食道逆流症」の基礎知識

食後の胸やけやゲップ、胃もたれが多くなってきた・・・。そんな悩み、かかえていませんか?そんな「胃の不調」の原因や症状、予防や治療法について、戸田中央総合病院外科消化管部長の立花慎吾先生にお聞きしました。今回は、胸やけなどを引き起こし、年々増加傾向にあると推定されている「胃食道逆流症」についてです。

1905_p051_01.jpg年を重ねると脂っこい食事をしたときに胸やけが起こることがありますね。胃の機能の低下などで加齢とともに胸やけは起こりやすくなります。中には、食事をするたびに「みぞおちの辺りが痛い」「ジリジリする」などの症状に悩まされる人もいます。その原因となるのが胃食道逆流症です。
「胃の入り口は閉じる仕組みがありますが、加齢などで緩んでしまうと胃酸が食道へ流れます。胃の粘膜は胃酸から保護されますが、食道には胃酸から守る保護の仕組みがありません。胃酸が逆流すると食道の粘膜に炎症が起こり、胸やけなどの症状につながるのです」と立花先生。

まずはこの胃食道逆流症の「症状」を確認しましょう。


■主な症状

・胸やけ(みぞおちの上がジリジリ焼けるような感じ、しみる感じ)
・呑酸(どんさん、酸っぱい液体が上がってくる感じ)
・食道の粘膜がただれる
・胸が詰まるような感じがする
・満腹時に痛みを感じることが多い

このように、食後などに胸やけやゲップ、 みぞおち辺りに痛みが生じるのが特徴です。食道の炎症がひどくなると、食事もつらく、寝ているときにも痛みで目が覚めるようなことが起こります。
次に、これらの症状を引き起こす「原因」についてみてみましょう。


■主な原因

・胃酸が食道に逆流し、食道の粘膜が傷ついてしまう
・食道のぜん動運動に問題がある
・食道裂孔ヘルニアの場合は、逆流防止の働きがさらに弱まる
(※胃と食道のつなぎ目が上にせり上がり、飛び出してしまう病気)

 

胃の口がきちんと閉じずに「胃酸が食道に逆流する」ことで、食道の粘膜を傷つけ炎症を起こします。逆流した胃酸を胃へ戻す食道のぜん動運動が悪いことも関係します。
そして、胃食道逆流症は「食道の炎症が見られず自覚症状のみのタイプ」(非びらん性胃食道逆流症)、「炎症があって自覚症状もあるタイプ」「炎症はあっても無症状」の3つのタイプに分けられます。まとめると、以下のようになります。

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まずはこれらの基礎知識を押さえてください。次の記事で、その予防や治療法についてお伝えします。

 

次の記事「食道がんのリスクも!放置厳禁「胃食道逆流症」予防&治療法」はこちら。

取材・文/安達純子 イラスト/入江めぐみ

 

 

<教えてくれた人>

立花慎吾(たちばな・しんご)先生

戸田中央総合病院外科消化管部長。東京医科大学病院消化器外科・小児外科派遣准教授。東京医科大学卒。米国留学、愛知県がんセンター中央病院などを経て2018年より現職。

この記事は『毎日が発見』2019年5月号に掲載の情報です。

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