
『働きすぎで休むのが下手な人のための 休息する技術』 (菅原 道仁/アスコム)第4回【全7回】
「休む」というと、ただゴロゴロすることだと思っていませんか? 寝ても疲れが取れないのは、あなたが「疲れの正体」を知らないからかもしれません。書籍『働きすぎで休むのが下手な人のための 休息する技術』(アスコム)では、脳神経外科医の菅原 道仁氏が、長年の研究からたどり着いた「疲れを取るための技術」を分かりやすく解説しています。ご自身の体の状態を理解することから始め、その時のあなたに合った「正しい回復法」を実践するだけで、少しずつ体が軽くなっていくのを実感できるでしょう。今回はこの本の中から、だるさや重さから解放され、毎日をいきいきと過ごすためのヒントをご紹介します。
※※本記事は菅原 道仁 (著)による書籍『働きすぎで休むのが下手な人のための 休息する技術』から一部抜粋・編集しました。
仕事より大事なこと。休むことは悪いことではない
バカンス(おもに夏場にとる長期休暇)の文化が根づいているヨーロッパ諸国は、休むことに対して積極的かつ寛容です。
年初に「ここからここまでバカンスをとる」と決めたら、その人がどんなに仕事で忙しくても、多くのタスクを抱えていても、その期間はしっかり休むのが当然という国もあります。
それに対して日本はどうでしょうか。
ヨーロッパのバカンス並みの休暇をとることは現実的ではない、という人は多いでしょう。有給休暇を消化しきれずにためこんでしまっている人も、大勢いると思います。
会社で残業はできないから、やむを得ず自宅に仕事を持ち帰ってサービス残業をした経験がある人も少なくないはずです。
ヨーロッパの人たちがそれを聞いたら、一様に「アンビリーバブル」という感想を述べるでしょう。
日本は勤勉な国民性も手伝って、昔からよく働く人が称賛されるお国柄です。休むことに罪悪感を覚える人もいます。つねに休みづらい雰囲気が漂っている会社も多く存在するのではないでしょうか。
もちろん、私が携わっている医療業界も例外ではなく、人手不足もあって、医師や看護師がなかなか休めない環境の病院の話はよく耳に入ってきます。
休みが許されるのは、冠婚葬祭時と、著しく体調を崩したときだけ──大げさにいうと、それが常識とされる社会がこれまで築かれてきました。今はその感覚は大幅に緩和され、昔よりもはるかに休みやすくなったと思いますが、それでも諸外国に比べたら「まだまだ」といわざるを得ないでしょう。








