その症状、夏バテではなく「かくれ脱水」かも! 適切な水分補給を心がけて

pixta_38205999_S.jpg温度に対する感覚は年齢とともに衰えていきます。50代以上になってくると、脱水症状の初期段階を夏バテと誤解することも。
熱中症を発生させやすくなる「かくれ脱水」について、帝京大学医学部救急医学講座教授で帝京大学医学部付属病院高度救命救急センター長の三宅康史先生にお話を伺いました。

 
夏バテかな...?と思ったら、「脱水症の初期段階=かくれ脱水」かもしれません。
脱水症が進行すると血流が滞り、体内の熱が放散されず熱中症が発生しやすくなります。予防には、かくれ脱水に気付き水分補給などの対策をとることが大切です。

帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長の三宅康史先生は、高齢者はかくれ脱水になるリスクが高いと言います。その理由は大きく二つ。

「一つは体内の水分量の減少です。体の中で貯水の役割を担うのは筋肉です。しかし加齢とともに筋肉が衰えるため、65歳以上の人は成人に比べ約5%も水分量が少なくなります。

二つ目は加齢による腎機能の低下です。腎臓は尿の中から水分を再吸収し、不要物を濃縮して体外に排出します。しかし腎機能が衰えると再利用されにくく、薄い尿がたくさん出るようになり、水分が失われやすくなるのです。トイレの回数が増えるのもこれが要因です」

夜中にトイレに行きたくないと水分摂取を控え、就寝中に脱水症になるケースも多いそう。
「私たちの体は"不感蒸泄"といって、皮膚、吐く息などから無意識のうちに常に水分を失っています。夜眠っている間に、500mlもの水分が失われるのです。かくれ脱水を防ぐには、夜寝る前にコップ1杯の水を飲むという心がけが大切です」

年齢とともに温度に対する感覚が衰えて、暑さや喉の渇きを感じにくくなります。自分で気付かないかくれ脱水の予防には体重管理が有効です。「毎朝決まった時間に体重を測り、体重が減っているとかくれ脱水の危険性があるので水分補給を」と三宅先生。早期発見で熱中症を予防しましょう。

 
「かくれ脱水」は体重測定で自己チェック!

自分のベスト体重を知り、その増減で体調を自己管理しましょう。

●起床後、体重を測定
毎朝トイレに行く前に、同じ下着姿で測りましょう。
       ▼

       

体重が減っている場合は...
体重の1~2%(目安)減ると、「かくれ脱水」の可能性があります。

体重が増えている場合は...
水分、塩分の取り過ぎの可能性があります。

 

次の記事「「経口補水液」は治療薬です。正しい利用法で熱中症対策を(2)」はこちら。

取材・文/ほなみかおり


1808p044_miyakeprof.jpg

三宅康史(みやけ・やすふみ)先生

帝京大学医学部救急医学講座教授、帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長。日本救急医学学会専門医 指導医 評議員、日本集中治療医学会専門医 評議員、日本脳神経外科学会専門医 評議員、日本救急医学会 熱中症に関する委員会委員長など。さまざまなメディアで熱中症予防の啓発に尽力。

この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP