夏は脱水症状による腎機能の低下に注意!(1)

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「慢性腎臓病」という病気をご存知ですか? 健康診断で「異常なし」でも、知らない間に体がむしばまれていることも多くあります。今回は、さまざまな機能を持っている腎臓についてのお話を、東京慈恵会医科大学附属病院腎臓・高血圧内科診療部長の横尾隆先生にお聞きしました。

あなたは大丈夫?慢性腎臓病の予備軍が増加中

夏になると熱中症予防のため「小まめな水分補給」が推奨されます。でも、エアコンの効いた部屋の中にいると汗をかかないことも。喉も渇かないので、朝食のときにコーヒーなどを1杯飲み、昼食まで水分をとらないという人がいます。水分をとり過ぎると「むくんでしまうのでイヤ」と考える人もいるかもしれませんが、実はこの状態は腎臓にとってよくありません。

「腎臓は、さまざまな機能を持っていますが、尿を作るときに体に必要な成分と不要な成分を仕分ける働きがあります。心臓から送られる血液の1/4~1/5が腎臓に集まることで、その働きを維持できるのです。しかし、脱水症状で血流が少なくなると機能は低下します。この状態が長く続くと、腎臓の働きが悪くなってしまうのです」と、横尾 隆先生は説明します。

エアコンの効いた室内で汗をかかなくても、皮膚の表面や呼気で体の中の水分は失われていきます。水分をとらないでいると、体内の水分は失われて血流量が減ってしまうのです。腎臓へ送られる血液が減ると、尿を作るときに体に必要な成分をろ過する機能は落ち、腎臓にダメージを与えるのです。

「腎機能は、加齢によっても衰えますが、夏場の脱水症状が腎機能低下につながります。それを多くの方に知っていただきたいと思います」。


ご存じですか? 慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease)

■「慢性腎臓病」の定義は?
(1)腎臓の働きが健康な人の60%以下に低下している状態。
(2)検査、画像診断や血液検査で腎障害が明らかである状態。(たんぱく尿や血尿が出る)
▶上記のどちらか、あるいは両方が3カ月以上続いている状態。

■推定患者数
▶約1330万人
出典/「CKD診療ガイド2012」(日本腎臓学会編)

■主な自覚症状
▶なし
▼進行すると
▶夜間頻尿、むくみ、貧血、倦怠感、息切れなど

■こんな人がかかりやすい!
▶高齢者
▶家族に慢性腎臓病の人がいる
▶メタボリックシンドローム、脂質異常症、糖尿病の人
▶喫煙者

次の記事:「あなたの腎臓、正常に機能していますか?」はこちら。

  

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<教えてくれた人>
横尾 隆(よこお・たかし)先生
東京慈恵会医科大学附属病院腎臓・高血圧内科診療部長。東京慈恵会医科大学卒、英国UCLへの留学などを経て2013年より現職。腎臓病の診断・治療のスペシャリストとして、腎臓の再生医療の研究にも尽力。
この記事は『毎日が発見』2017年8月号に掲載の情報です。
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