胃がキリキリ痛む、げっぷが出る...「機能性ディスペプシア」かも?/胃の不調

pixta_36459214_S.jpg「食欲がない」「胃がもたれる」「胃がキリキリと痛む」......誰もが一度ならず経験があるのではないでしょうか。胃の調子は健康のバロメーター。不調であれば、「食べた物が悪かった?」「それともストレスが大き過ぎた?」と考え、食べる量を控えるなどして、胃の健康を保とうとします。なぜ、胃の調子は悪くなってしまうのでしょう。しょっちゅう起こる胃痛や胸やけから、胃食道逆流症、胃潰瘍や胃がんまで、兵庫医科大学病院副病院長の三輪洋人先生にお聞きしました。

前の記事「ストレスや疲労がたまると、胃は敏感になる/胃の不調(2)」はこちら。

 

病気の不安がさらなる胃の不調に

胃には、主に3つの機能があることがわかりました。

1.胃酸を出す
2.動く
3.感じる

「胃は、自律神経のもとで働いています。自律神経は恐怖や不安、喜びといった情動でバランスが変化します。極端な情動の揺れ動きによって自律神経のバランスが乱れると、胃の機能も崩れます。例えば、胃酸が胃の中にあるのは当たり前なのですが、ストレスによって自律神経の交感神経が優位になれば、脳は信号を増幅して受け取ってしまい、『胃が痛い』『不快だ』と感じるようになります。そのように大げさに感じてしまうことが、さらに不安やストレスを生み、胃の調子はますます悪化します」と三輪先生。

胃の不調は、ストレスが大いに影響するようです。そして実際に、胃の機能は低下しているのです。しかし、長い間、そういった悩みは「気のせいでは?」と片付けられ、軽く扱われがちでした。

 
内視鏡検査では見つからない機能性ディスペプシア

「胃の不調を訴えた患者の食道や胃を、内視鏡で見てみると、炎症がなく、色もきれいで、みずみずしい場合がほとんどです。では炎症がなければ問題がないかといえば、そうではありません。形の上で異常はないのだけれど、腹部に不調のある状態をまとめて、医学用語で『ディスペプシア』と言っていました。やがて、胃の『動き』や『感じる』機能が崩れていることがわかり、『機能性ディスペプシア』と病気として扱うようになりました」

機能性ディスペプシアの症状例
●胃がキリキリと痛む
●胃がしくしくと痛む
●食事のあと、毎回、胃がむかむかする
●胃がもたれる
●少ししか食べてないのに満腹感を感じてしまう
●げっぷがたくさん出る
●お腹が張った感じで苦しい
●気持ちが悪い
●食欲不振
●気分が落ち込む。憂鬱

慢性的に胃の不調を感じているのにもかかわらず、かつて病院で「異常はありません」と診断されたり、炎症が見つからないのに「慢性胃炎」と診断されたり、また「気のせい」「気の持ちよう」とされて治療の対象にならなかったり、「神経性胃炎」と言われながらも特効薬がなかったような胃の不調は「機能性ディスペプシア」の可能性があります。

 

次の記事「2013年に登場!「機能性ディスペプシア」に効く薬/胃の不調(4)」はこちら。

取材・文/三村路子


1807p112_prof.jpg

三輪洋人(みわ・ひろと)先生

兵庫医科大学理事・副学長。兵庫医科大学病院副病院長。内科学消化管科主任教授。1982年、鹿児島大学医学部卒業。医学博士。専門は、消化器内科一般のほか、特に逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、ピロリ感染症の診断と治療、また内視鏡による胃がんの早期診断と化学療法。著書に『「胃もたれ・胸やけ」は治せる 機能性ディスペプシア・胃食道逆流症・慢性胃炎』(NHK出版)ほか。

(参考資料)
『「胃もたれ・胸やけ」は治せる 機能性ディスペプシア・胃食道逆流症・慢性胃炎』(NHK出版)
日本消化器病学会ガイドライン 
・厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(2016年)

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP