レモン酢はレモンと酢と砂糖を組み合わせただけなのに、それぞれが持つ働きの相乗作用で効果が何倍にも得られます。レモン酢には、大きく8つの健康効果があります。
1.動脈硬化の予防に役立つ
レモンの皮のすぐ下には、エリオシトリンやヘスペリジンといったフラボノイド類が豊富です。フラボノイド類は病気や老化の原因となる活性酸素に対する抗酸化作用が非常に強力です。動脈硬化の一因となる活性酸素を除去し、血管をしなやかにします。
2.血圧の正常化に役立つ
動脈硬化が改善されることで、血液がスムーズに流れるようになると血圧が安定します。酢にはアミノ酸が結合して吸収されやすい状態になったペプチドが存在し、やはり血流をよくします。また、酢が含むアデノシンには血管の拡張作用があります。
3.コレステロールや中性脂肪減少に役立つ
レモンが含むエリオシトリンやヘスペリジンといった成分には、悪玉コレステロールの酸化を抑え、コレステロールの過剰な上昇も抑える作用があります。また、酢には体内の余分な脂質(コレステロール、中性脂肪など)を減らす働きがあります。
4.ダイエットに役立つ
レモン酢の主成分である酢酸がやせるカギ! です。酢酸は食べたものをエネルギーにしていく仕組み「クエン酸回路」を活性化します。血中の余分な脂肪を減らし、必要以上の体脂肪の合成や蓄積も防ぎます。また、酢に砂糖が溶けることで、酢の代謝を高める作用がさらに活発になります。
5.腸内環境に役立つ
人間の腸には約100兆個もの菌が存在するとともに、全身の60~70%ほどの免疫細胞が存在しています。酢の力で善玉乳酸菌のビフィズス菌が増えることで腸内環境が改善されます。免疫力がアップするだけでなく、便秘の解消などにも効果的です。
6.疲労回復に役立つ
レモンの皮のエリオシトリンや果肉に多いビタミンCは、老化や病気の元凶となる活性酸素を抑える働き(抗酸化作用)が非常に優れています。また、レモンと酢の成分・クエン酸がクエン酸回路を活性化して代謝がよくなり、疲労物質を取り除き、乳酸を燃焼。疲れた体の回復に役立ちます。
7.美肌に役立つ
レモンに含まれるビタミンCが、肌のハリを保つコラーゲンの合成を促進します。また肌のキメやハリ、潤いを保つアミノ酸を酢から摂取できます。そのためレモン酢を続けてとっていると色が白くなる、肌ツヤがよくなるなど、うれしい美肌効果を実感できます。
8.料理に役立つ
どこでも手に入る材料で、手軽にできて、おいしくないと食べる健康法は続きません。続けることが効果を得るために大切なことです。レモン酢はそのまま飲んでももちろんおいしいですし、調味料の一つとして下味や酢の物にと、広く使うことができます。
人気があるのはおいしくて効果があるから
もともと和食には「酢の物」がなくてはならない献立の一つでしたが、だんだん食卓から酢の物が減ってきています。酢が体にいいことは皆さんよくご存じでも、実際に食べる回数は昔に比べると減ってはいませんか。
酢に果物を漬け込んだフルーツ酢は、酸味がマイルドになり食べやすく、なによりおいしいお酢になります。レモン酢はそんなフルーツ酢の中でも、最も人気が高く、効果も絶大です。1日大さじ2杯のレモン酢で免疫力のアップ、元気な体を維持してください。
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村上祥子(むらかみ・さちこ)さん
料理研究家・管理栄養士。1942年、福岡生まれ。公立大学法人福岡女子大学国際文理学部・食・健康学科客員教授。食材の持つ力で健康寿命の延伸を図る研究に関与。同大学にある「村上祥子料理研究資料文庫」で50 万点の資料が一般公開されている。公式ホームページ http://www.murakami-s.jp/