最期まで密度の濃い人生を送るために必要なのは、体・食・心のバランス! 医師で作家の鎌田先生が、独自の健康法のほか、ムリせず、焦らず、昨日よりも今日を元気にする生き方の秘訣を公開してもらいました。今回は、筋肉から分泌される老いを遠ざけるホルモン「マイオカイン」について教えていただきます。
筋肉から分泌されるホルモン「マイオカイン」が老いを遠ざける!
運動には一石二鳥ならぬ一石三鳥くらいのメリットがあります。それは筋肉から分泌される「マイオカイン」というさまざまなホルモンが、体にも心にもプラスの恩恵をもたらすため。
「アルツハイマー型認知症も動脈硬化も、慢性炎症が原因の一つといわれています。
マイオカインは慢性炎症を防いでくれるので、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症のリスクを減らすことができるのです。
また、不安やうつ的な気持ちを和らげる働きをすることが明らかになっています。
日本に1,000万人の患者がいるといわれる脂肪肝も慢性炎症が関係しています。
マイオカインが脂肪肝から肝がんに移行するのを防いでくれます。そして、膵臓(すいぞう)の働きを助けて血糖値を安定させるなど、メタボ予防やメタボ改善にも効果を発揮します」と鎌田先生は言います。
「ぼく自身も体重が80㎏に達しようとしていた3年前には、動くのもおっくう、おっくうがる自分にイライラ...そんな状態に老いを感じてうつうつとしていました。でも筋トレを本格的に始めてからは、少しずつ筋肉がつき、脂肪が減り、おなかがへこんで、昨日よりも今日の自分の方が成長している! と実感できるようになりました」と鎌田先生。
確かに先生のおなかは以前よりもスッキリしています。
体って正直ですよね。
うれしいことに筋肉のこういった健康増進効果や若返り効果は、年齢を問わないのです。
つまり70歳からでも80歳からでも筋肉を増やそうと一念発起すれば、筋肉は裏切らないで増えていくし、増えた筋肉からはマイオカインが分泌されます。
きつい筋トレを何時間も行う必要はなく、毎日少しずつ筋肉に負荷をかける習慣をつけることが大切なのです。
カマタ式 若返りのコツ
1 貯金より貯筋
歩く、小走りする、スクワット、ストレッチ...。
毎日無理なく少しずつ体を動かして筋肉を育てることは、もしかすると貯金より大切かもしれない。
一生自由に動けるように、コツコツと「貯筋」をしよう!
2 生きている限り楽しく!
好きな人と会って、好きなものを食べて、好きなところを旅する...。
そんな自由を最後まで楽しむためには、自立して行動できる体と心があれば大丈夫。
生きているなら、楽しくありたいものです。
3 昨日より、今日は少しいい
年をとったら成長しないと思うなかれ! 人は心がけ次第で死ぬまで進化する。
その極意は、自分の目標を持ち、常にチャレンジを続けること。
昨日より今日、今日より明日と、少しずつ自分を進化させよう。