むくみは不健康のサイン。生活習慣を見直してふくらはぎから健康に

pixta_38861074_S.jpg70歳以上の人のおよそ75%もの人に生じる「ふくらはぎの不調」。中でも血管の老化現象の一つである下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、見た目の症状だけでなく慢性的な機能低下につながることも。

ふくらはぎを元気に保つ方法について、北青山Dクリニック院長の阿保義久先生にお話を伺いました。

前の記事「70歳以上のうち75%はふくらはぎの血管が浮き出ている!/下肢静脈瘤(1)」はこちら。

 
家事や仕事などで一日中立った状態が続くと、夕方には足首がむくみ、ふくらはぎがパンパンになることがありますね。「立ち続けていたから当たり前」と思いがちですが、実は健康なふくらはぎは、むくむようなことが少ないのです。むくみは、ふくらはぎの不健康のサインといえます。

「血液は、心臓から動脈で全身に送られ、静脈で心臓に戻されます。静脈の機能が低下していると、血液が滞留して余分な水分が血管の外にしみ出すのです。それがむくみの原因。血流が滞ることで血液中の疲労物質もたまり、足がだるい、重い、疲れやすいといった症状につながります」

足の血液は、重力に逆らうようにして上昇しなければなりません。そのため、静脈には血液の逆流防止弁があり、ふくらはぎの筋肉も血液を押し上げるために一役買います。ところが、ふくらはぎの筋肉が弱くなると静脈の負担が重くなり、血管が膨らんで弁が壊れやすくなってしまうのです。

足の静脈は、足の奥深くにある「深部静脈」という太い血管の柱に、「表在静脈」という細い静脈が枝のようにつながっています。
「静脈の弁に負担がかかって壊れやすいのは、深部静脈と表在静脈の合流点です。この逆流防止弁が壊れると、血液が逆流して滞留することで血管が浮き出るようになり、コブのような膨らみが生じます。これを下肢静脈瘤というのです」

立ちっぱなしや足の筋力低下などで静脈の内圧が上がると、表在静脈の弁が壊れて下肢静脈瘤が生じやすくなります。1日、2日で壊れるのではなく、長い年月をかけて徐々に壊れるため、結果として、「気づいたときには血管が浮き出ていた」ということがよくあります。

 

なぜ「むくみ」が起こってしまうの?

血管からあふれた水分が細胞と細胞の間にたまると、腫れてむくみにつながります。下肢静脈瘤のように血液を心臓の方へ戻せずに血液が滞留する、あるいは心臓病で血流が悪い、腎臓機能の低下で体内の水分排出機能が落ちているときなどにも生じます。ひどいむくみは放置しないように。


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水分を回収する能力が落ち、滞っている状態。

 

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水分の回収が正常な状態。

 

次の記事「ふくらはぎの「こぶ」が血栓形成を促す!? つらさを感じたら改善・治療を/下肢静脈瘤(3)」はこちら。

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史


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阿保義久(あぼ・よしひさ)先生

北青山Dクリニック院長。東京大学医学部卒。東京大学医学部腫瘍外科・血管外科などを経て2000年から現職。下肢静脈瘤の日帰り手術のパイオニア。

この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。
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