70歳以上のうち75%はふくらはぎの血管が浮き出ている!/下肢静脈瘤

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70歳以上の人のおよそ75%もの人に生じる「ふくらはぎの不調」。中でも血管の老化現象の一つである下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)は、見た目の症状だけでなく慢性的な機能低下につながることも。

ふくらはぎを元気に保つ方法について、北青山Dクリニック院長の阿保義久先生にお話を伺いました。

 ◇◇◇


暑い季節にはスカートに素足というスタイルが楽ですが、鏡を見たときに、ふくらはぎの血管が浮き出てボコボコとコブのように膨らんでいることはありませんか? しかも、午後になると足がむくんでだるい。そんな元気のないふくらはぎには、下肢静脈瘤という血管の機能不全が潜んでいるそうです。

「下肢静脈瘤は、血管の老化現象の一部ですが、遺伝的な要因や生活習慣にも関わるため、30歳以上で62%、70歳以上で75%もの人に認められたと報告されるほど、多くの人に起こりうる病気といえます」と、阿保義久先生は説明します。

血流が滞る下肢静脈瘤は、血管が浮き出るような見た目の症状がなくても、足のだるさ、むくみ、寝ている時のこむら返りなど、慢性的な機能低下を伴う「慢性静脈機能不全症」に陥っていることもあります。

「腎臓病や心臓病でも、むくみの症状は出ます。内臓に問題がなく、下肢静脈瘤が原因であれば、運動やマッサージなどのセルフ・ケアで改善・予防は可能です」

まずはふくらはぎの健康度をチェックして、元気のないときには改善を心がけましょう

 

 

あなたの「ふくらはぎ・元気度」チェック!

当てはまるものはいくつありますか?

□足がだるいことが多い
足が疲れやすい
夕方になると足がむくむ
寝ているときに、こむら返りになることがしばしばある
足に皮膚炎や湿疹ができやすい
運動をする習慣がない
仕事などで長時間立ち続けることが多い
足にシミや色素が沈着しているような模様が出る

該当する項目が多いほど、足に何らかの異常を抱えている危険性が高く注意が必要です。症状が重くなる前に受診しましょう。

 

足の血管にはどんなものがあるの?

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表在静脈(ひょうざいじょうみゃく)[大伏在静脈(だいふくざいじょうみゃく)]
足首から太ももの内側を通り深部静脈に合流。

深部静脈
血液のメイン通路の静脈で足の奥深くを走る。

穿通枝(せんつうし)
表在静脈と深部静脈をつなぐ細く短い血管。

表在静脈[小伏在静脈(しょうふくざいじょうみゃく)]
足首からふくらはぎを通りひざの裏へと続く。

 
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逆流防止弁の働きで血液は上へと流れていく

 

静脈瘤のある血管
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弁が壊れて血液が逆流し血管が膨らんでいる

 

血液の逆流を防ぐ優れた仕組み「弁」について
静脈の血液は筋肉の収縮で上へ押し上げられ、その逆流を防ぐために弁が重要な働きをしています。弁が壊れると血液が滞留して下肢静脈瘤に。


1808p063_04.jpg正常な静脈


1808p063_05.jpg静脈瘤のある血管

 

ふくらはぎが元気でないときには、こんなことにも!

むくみ
血液中の水分が血管の外にしみ出し細胞にもとどまらず、細胞と細胞の間にあふれることでむくみは生じます。

【下肢静脈瘤】
静脈の弁の働きが悪く壊れると、血液が逆流して血管が膨らみ、コブのようになります。

慢性静脈機能不全症など(エコノミークラス症候群なども)
静脈の老化や弁が機能しないなど、静脈全体の血流の悪い状態が慢性的に起こり、機能が低下する病気です。

 

次の記事「むくみは不健康のサイン。生活習慣を見直してふくらはぎから健康に(2)」はこちら。

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史


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阿保義久(あぼ・よしひさ)先生

北青山Dクリニック院長。東京大学医学部卒。東京大学医学部腫瘍外科・血管外科などを経て2000年から現職。下肢静脈瘤の日帰り手術のパイオニア。

この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。

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